福島のニュース

認知症の有無 薬剤師が点検 福島で「対応薬局」開始 早期治療へなお手探り

認知症対応薬局の取り組みを説明する高野さん

 福島県内で「認知症対応薬局」が始まった。薬剤師が来店客との会話を通して症状の有無を調べ、必要に応じて医療機関などにつなぐ。いかに早い段階で異変を察知するか。取り組みの現状を追った。(福島総局・阿部真紀)

 「薬の飲み残しはありませんか」
 4月26日午前、伊達市の保原薬局本店で、薬剤師の高野真紀夫さん(59)は来店した高齢女性にさりげなく声を掛けた。
 「最近、物忘れは多くありませんか」「料理はしていますか」。何げないやりとりを通じ、認知症の初期症状の有無を調べる。最後に「物忘れで困ったことがあれば薬局に気軽に相談してください」と伝えた。
 認知症対応薬局は4月1日、福島県の主導で始まった。福島、郡山など6市の98薬局で専門知識を学んだ薬剤師が症状に応じて受診を勧めたり地域包括ケアセンターに相談したりする。薬局にパンフレットを置いて家族の相談にも応じる。
 認知症は早期発見が鍵とされる。アルツハイマー型は完治が難しいと言われるが、早めに見つければ症状を遅らせたり、軽くしたりできる。
 高齢化の進展などで家族が兆候を察知しにくくなっており、県は「薬局は日頃から患者や家族と接する機会が多く、異変に早く気付けるはず」と期待する。
 先行して2013年度に始めた仙台市は市内の45%に相当する220薬局で薬剤師が対応し、効果が出ているという。市薬剤師会の担当者は「相談を受けた薬局の勧めで、専門医を受診して投薬を始めたケースが複数ある」と説明する。
 制度が始まったばかりの福島県内では薬剤師らが手探りで取り組む。伊達市ではこれまでも医師会や薬剤師会、福祉事業者が研修会をそれぞれ開き、相互に参加。相談できる関係構築を目指している。
 保原薬局の高野さんは「顔が見える関係づくりが最も大事。認知症の患者を発見したとき、うまく次につなげたい」と強調する。
 福島県は20年までに対応薬局を200局に増やす方針。本年度は新たに本宮や須賀川など7市で研修会を予定する。県薬務課の担当者は「成功例や課題を集めながら、より良い方法を探りたい」と話す。


関連ページ: 福島 社会

2018年05月06日日曜日


先頭に戻る