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<大川小訴訟>判決解釈広がる誤解 津波予見、高裁は宮城県沖地震で判断

津波の予見可能性に関する判決骨子

 石巻市大川小津波訴訟で7日、亀山紘市長が上告方針を表明し、審理の舞台は最高裁に移る可能性が出てきた。8日に開かれる市議会臨時会での関連議案の審議を前に、控訴審で大きな争点となった「震災前に津波の危険を予見できたかどうか」について、高裁判決のポイントを整理する。(大川小事故取材班)

 亀山市長は報道各社の取材に「事前に東日本大震災を本当に予見できたのだろうか。皆さんにも聞きたい。われわれには想定できなかった大災害だ」と強調。主な上告理由についても「東日本大震災は想定外だった」との認識を示した。
 ただ、判決は「大川小校長らが予見すべき対象は東日本大震災の津波ではなく、2004年に想定された『宮城県沖地震』(マグニチュード8.0)で生じる津波」と明言している。予見すべき津波を巡り、亀山市長の認識と判決文には食い違いがあり、インターネット上にも同じような誤解が広がっている。
 判決は、宮城県沖地震が起きた場合、近くの北上川堤防が揺れで沈下したり、遡上(そじょう)津波で壊れたりする危険があったと指摘。地震や津波で堤防が壊れた事例は震災前にも複数あり、さまざまな文献などでこれまでも紹介されていた。
 高裁は「校長らに必要とされる知識や経験は住民の平均よりはるかに高いレベルでなければならない」とした上で、「詳細に検討すれば、大川小が津波浸水予想区域外だとしても、津波の危険を予見することは十分できた」と結論付けた。
 判決は、危険を認識できた以上、校長らには宮城県沖地震に備える安全上の義務があったのに、避難場所さえ決めていなかったことを学校の過失と認定した。
 亀山市長は8日の市議会本会議で上告理由を説明する。司法が判断の大前提とした「予見すべき地震」は東日本大震災ではなく、高い確率で起きると言われ続けてきた宮城県沖地震であることを改めて確認する必要がありそうだ。


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2018年05月08日火曜日


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