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<大川小訴訟>「大義なき上告だ」遺族失望 法廷闘争、終結遠のく

市議会閉会後、取材に答える今野さん(左)ら遺族=8日午後6時55分ごろ、石巻市役所

 東日本大震災から7年、提訴から4年。法廷闘争の終わりは再び遠のいた。「大義なき上告だ」。審理継続を支持した石巻市議会の判断に、原告の児童遺族は憤りを隠せなかった。
 「新たな失望を感じた」。6年の三男雄樹君=当時(12)=を失った佐藤和隆さん(51)は、可決は覚悟していたものの、肝心の議論に落胆した。「上告は権利だが、市民の代表である市長と市議に上告の大義が見られなかったのが残念。悲しい」
 3年の一人息子健太君=同(9)=を亡くした佐藤美広さん(57)は「7年たっても『天災で仕方なかった』と言い続け、責任をあやふやにする姿勢に憤りを感じる」と語った。
 実質約2時間の議論を児童遺族約10人が険しい表情で見詰めた。5年の長男達也君=同(11)=、2年の長女美咲さん=同(8)=を亡くした狩野正子さん(46)は「やるべきことをやっていなかったという大事な問題がすり替えられた議論で、不信感が深まった」。5年の次女千聖(ちさと)さん=同(11)=を失った紫桃隆洋さん(53)は「上告理由に挙げた『判決に科学的根拠がない』という部分がどこなのか、市長の話では分からなかった」と釈然としない様子だった。
 6年の長男大輔君=同(12)=が犠牲になった原告団長の今野浩行さん(56)は、妻ひとみさん(47)と共に傍聴に臨んだ。審議で特に問題視したのは、亀山紘市長らが今後の学校防災の推進に向けた「最高裁の判例で国に動いてもらう」という言葉だ。
 「子どもの命は道具ではない。防災を率先して発信すべき市長が、亡くなった74人の命に向き合おうとしていない。責任転嫁だ」と指摘した。


2018年05月09日水曜日


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