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<大川小訴訟>市議会緊迫 上告、僅差の賛否「正解ない」議長複雑

上告提起の議案を巡り、賛否が交錯した石巻市議会の臨時会=8日午後5時20分ごろ

 石巻市大川小津波訴訟の上告判断を巡り、市議会臨時会は8日、市が提出した関連2議案を僅差で可決した。賛否が交錯した議論が終結し、議場に緊張が走る。遺族らが身を乗り出して見詰める中、採決が行われた。閉会後、丹野清議長は「どっちに転んでも正解はないと思う」と苦渋の表情で語った。
 臨時会は午後1時開会。上告関連議案の審議は午後4時半に始まった。
 上告に反対する2議員が緊急質問で口火を切った。阿部利基議員(ニュー石巻)は、校長らによる津波の予見可能性について「現地で知り得る情報が多い点からみて、学校管理下ではもっともな判決内容だった」と控訴審判決を支持した。
 続く高橋憲悦議員(同)は亀山紘市長が上告を決めた議論の過程をただし「事故が起きれば責任が伴う。市長の独断で上告を決めた責任は重い」と強調した。
 討論は賛成、反対ともに2人ずつ行った。反対議員は「控訴審判決は子どもの命を徹底して守ることこそ学校と教委の根源的な義務であると判断した。判決を謙虚に受け止めるべきだ」と主張。
 賛成議員は「今後の全国の学校防災の充実強化につながるという大きな使命がある。高裁判決ではなく、最高裁の判例としての価値が必要だ」と訴えた。
 採決は賛成16、反対12の4票差。2016年10月に控訴関連議案を6票差で可決した臨時会以上に際どい結果となった。
 丹野議長は閉会直後、「なんかもやもやが残るような感じ」と複雑な心境を吐露。「市議選(13日告示、20日投開票)が迫る中、思いを語るのは大変だったろう」と各議員の決断をおもんぱかった。
 亀山市長は閉会後、直ちに宮城県庁に向かい、村井嘉浩知事に結果を報告した。終了後の取材で可決の瞬間を振り返り、「無我夢中で終わった。ほっとしたということではなく、非常に緊張した状態がずっと続いていた」と厳しい表情のまま語った。


2018年05月09日水曜日


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