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<大川小訴訟>石巻市議会 16対12で上告を可決

起立採決の結果、賛成多数で上告関連議案を可決した石巻市議会=8日午後6時25分ごろ

 東日本大震災の津波で死亡・行方不明になった石巻市大川小の児童23人の19遺族が市と宮城県に約23億円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決を巡り、市議会(定数30)は8日、臨時会を開き、市が提出した上告提起の関連2議案を賛成16、反対12(欠席1)で可決した。市は期限の10日までに上告する。
 上告理由について、亀山紘市長は本会議で「河川堤防が損壊し、浸水予測区域外の学校に津波が襲来することを予見するのは、防災や堤防の専門家でない校長らには不可能」と指摘。「(仙台高裁判決が)市教委や大川小の校長らに求める内容は、震災を経験した現在でも実現困難なものが含まれる」と主張した。
 採決は、議長を除く出席議員28人による起立採決で行われた。
 終了後、大川小6年だった長男大輔君=当時(12)=を亡くした原告団の今野浩行団長(56)は記者会見し「非常に残念。高裁判決を十分に精査しないままの上告で、納得いかない。採決の結果以上に憤りを感じる」と話した。
 亀山市長は議会閉会後、県庁で村井嘉浩知事と会い、結果を報告した。報道各社の取材に「(採決は)非常に厳しい状況だった。票差を真摯(しんし)に受け止める」と述べる一方、「震災の教訓を生かしていくには最高裁の判例として確定することが重要だ」と強調した。
 控訴審判決は、大川小の校舎が北上川堤防から西に約200メートルと近接することなどから「(当時想定されていた宮城県沖地震が起きた場合)津波で浸水する危険性はあったというべきで予見可能だった」と認定。
 同校の危機管理マニュアルの不備を厳しく指摘するとともに、市教委は同校のマニュアル内容の確認、指導を怠ったとして組織的な過失があったと判断。市・県側に計約14億3610万円の賠償を命じた。
 同校では児童74人と教職員10人が津波で死亡・行方不明になった。2016年10月の地裁判決は市・県に計約14億2660万円の支払いを命じ、遺族と市・県の双方が控訴した。


2018年05月09日水曜日


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