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<クロモジ>自生する山林は宝の山 山形・小国のNPO、新商品開発し障害者の仕事に

NPO法人「まんまる」が販売しているクロモジ商品
自生するクロモジを手にする本間施設長

 山形県小国町の山林に手付かずの状態で自生するクロモジを障害者の仕事起こしに活用しようと、地元のNPO法人「まんまる」がお茶や入浴材などに加工した商品を販売している。豪雪地帯の同町では古くからかんじきの材料に使われてきたが、最近は気持ちを静めたり、炎症を抑えたりする香り成分が注目されており、法人は専門家と共同で新商品の開発にも乗り出している。
 NPO法人が販売しているのは「クロモジ茶」と入浴材、ストラップ、マドラーの4品目。今年1月に開館した加工所併設の店舗「自然館」で、他の手作り品と一緒に販売している。
 このうち今春発売の「クロモジ茶」は乾燥させた枝を細切りにし、樹皮を削った枝と混ぜ合わせた。香味と色合いが良く、大型連休に町内の道の駅で初めて試飲販売したところ、「自然館」の主力商品「桑茶」より人気が高かったという。
 クロモジは樹皮が高級ようじの材料になるほか、葉に多く含まれる油分には芳香性があり、せっけんの香料などに使われている。近年は、こうした香り成分に鎮静効果や抗炎症作用などがあることも知られるようになっている。
 法人は約7年前から、低賃金の軽作業に代わる小規模作業所の業務として、町内に無尽蔵にあるクロモジの活用を模索。試行錯誤しながら商品開発を進めてきた。
 一方、衝撃波を応用した材料開発の第一人者で、クロモジの有用成分の抽出などに関心を寄せていた熊本大名誉教授の伊東繁氏(71)が知人の紹介でNPO関係者と出会い、3年ほど前から共同研究を始めた。現在はクロモジを香水など美容関連商品の原料に利用する計画を進めている。
 これまでに衝撃波を使って食品やアロマなどの商品開発や高品質化を数多く手掛けてきた伊東氏は「有用成分が多い小国町のクロモジは美容品に適している。大量に処理する生産体制を整えれば、大きなチャンスになる。まさに宝の山だ」と指摘する。
 NPO法人の本間義信施設長は「地元の素材を生かした新商品を生み出すことで、障害者はもちろん、高齢化する町民に新たな自立の道が開ける」と期待している。


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2018年05月09日水曜日


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