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<宮城のご当地マラソン>(9)心をつなぐ若林シーサイドマラソン(仙台市)/冬開催「あの日」に思い

前回大会の様子。震災後にできた防潮堤をランナーが走る=2017年12月10日、仙台市若林区

 マラソンブームは衰え知らず。市民マラソン大会は宮城県内各地で季節ごとに開かれている。杜の都を駆け抜ける13日の仙台国際ハーフマラソンだけでなく、根強いファンを持つ地域密着のレースがある。地形を生かしたコース、沿道の声援、眺望、ごちそう。魅力は多彩だ。ランナーも応援する人も、老若男女が思い思いのペースで楽しめるご当地マラソンを紹介する。

 東日本大震災の津波で壊滅的な被害を受けた仙台市若林区の沿岸部を、冷たい海風を受けながら熱く走り抜ける。「心をつなぐ若林シーサイドマラソン」は今年で3年目を迎える。
 コースは震災後に建設された若林区藤塚−井戸地区の防潮堤上。平たんで自己ベストを出しやすい「高速コース」と、ランナーには評判だ。昨年は800人の募集定員に約980人が応募し、今年は定員を1200人に拡大する。
 「沿岸部のために何かしたい」。同区の仙台シティエフエム元社員桑島幸毅さん(62)の思いが開催のきっかけだ。ジョギング愛好家で震災前、藤塚周辺を練習場所としていたこともあり、マラソン大会を思い付いた。
 賛同してくれる企業や地元町内会などに協力を呼び掛け、2016年12月に実現させた。桑島さんは「大会に参加し、復興の様子を毎年、定点観測してほしい」と願う。
 12月の開催には理由がある。津波に襲われた沿岸部に雪が舞った「あの日」に思いをはせてもらうため、冬にこだわった。県内では年内最後のマラソン大会に当たり、「走り納め」の場として定着することも期待する。
 出場者も「単なるレースではない」という思いを抱く。昨年出場した同区の金物工事業鈴木義直さん(56)は「なじみのある風景が震災で変わってしまい、行くのがつらかった。大会を機に足を運ぶことができた」と話す。
 実行委員の日下雄介さん(31)は「スタート地点付近の『避難の丘』から夜、市街地を眺めてほしい」と言う。明るく輝く市中心部と対照的に、沿岸部は暗闇が広がる。年に一回でも、かつての活気を取り戻したい−。ランナーの背中を復興への願いが後押しする。

<走ってみよう>
 主催は仙台シティエフエムや地元町内会などでつくる実行委員会。男女各5キロと10キロの4種目で片道2.5キロを往復する。参加料は一般2000円、高校生1500円。毎年12月の第2日曜日に開催。7月に募集を開始し、11月上旬まで受け付ける予定。メイン会場では、若林区産の野菜を使った豚汁を振る舞う。連絡先は仙台シティエフエム内の実行委事務局022(213)2323。


2018年05月10日木曜日


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