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<秋田おばこ農協巨額赤字>統治機能不全が原因 第三者委報告書で指摘

 秋田おばこ農協のコメ直接販売で生じた巨額赤字の原因解明を進めてきた第三者委員会は県に2日提出した報告書で、組合員への過払いが赤字の原因とし、ワンマンとされた前組合長(故人)の意向に沿って行われていたと指摘した。一方で、赤字拡大は役員の統治機能の不全に起因すると断じた。
 おばこ農協は2004年産米で、共同計算による独自の直接販売を始めた。報告書によると、会計データが確認できないため推計値の10年産米以前も含め、16年産米までの累積赤字は昨年12月末時点で55億9740万円に上る。
 年産別では10年産以前が計約16億円、11年産が約9億円、12年産が約17億円それぞれ赤字だった。13年産以降も赤字だが、精算が終わっていないため12年産までの赤字計約43億円を農協の損害分とした。
 赤字の要因として仮渡し金単価の過大設定や奨励金などの過払いのほか、適切な精算を行わなかったことを挙げた。報告書は前組合長の影響の強さに触れ、過払いは「前組合長による独断ともいうべき判断でなされた」と推測した。
 前組合長が赤字隠しに関与していたことも明らかにした。11年産では当時の米穀課長が赤字を黒字に変えるよう指示され、別の年産の販売代金の一部を調整金として収入に含めていた。
 役員の責任にも厳しく言及する。収支管理の問題認識が欠如しており、統治機能不全が前組合長の判断を許容したと指摘。赤字発覚まで「毎年30人前後在籍した理事の誰からも、13年もの長きにわたり全く触れられなかった」と批判する。
 内部体制の整備を怠ったとし、精算済みで収支が明らかになっている11、12年産について、当時在籍した役員に損害賠償責任が認められるとした。

[共同計算]農協が組合員からコメの販売を委託され、組合員の代わりに卸売業者などに販売する仕組み。精算まで1年半から2年かかる。農協は集荷時に組合員に仮渡し金を払い、販売終了後に手数料や経費を除いて残額があれば組合員に追加精算するか、翌年産米の共同計算に繰り越す。赤字の際は組合員に過払い分を請求するか、収支不足分を翌年産に繰り越す。全農に販売する「系統販売」と、農協独自に販売する「直接販売」がある。


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2018年05月10日木曜日


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