宮城のニュース

<杜の都のチャレン人>意識の壁なくす場に ボッチャ楽しみ人の輪広げる

グッドタイミングのメンバーと、練習試合をする永田さん(左)=仙台市太白区長町南1丁目の市太白障害者福祉センター

◎障害の有無超え運動楽しむ団体を設立 永田昭仁さん(29)

 左手を大きく振りかぶってボールを投げてみる。投げたボールは的となる白いボールからは遠く離れた所へ飛んで行ってしまった。今度はボールを勾配がついたレーン「ランプ」の上にそっと置いた。ボールがゆっくり転がり白いボールのすぐそばで止まると、「よしっ」。満面の笑みがこぼれた。
 2月に友人と立ち上げたボッチャを楽しむ団体「グッドタイミング」(仙台市青葉区)の練習の一場面。ボッチャは投げたボールがどれだけ的の白いボールに近づけるかを競う。2年後の東京パラリンピック正式種目となっている。
 「子どもも大人も、体が不自由な人も、誰もが一緒にプレーをしながら笑顔になれるスポーツなんです」。団体メンバーは現在、障害のある人や訪問介護員ら20〜50代の8人。子どもや若い世代の加入を積極的に呼び掛けている。
 21歳の時に突然、進行性の難病「多発性硬化症」を発症した。今は立つことが難しく、車いすで生活する。「障害者と健常者の間にある意識の壁をなくすことが、自分のすべき役割だ」と自負する。
 茨城県に住む3歳のおいっ子が、仙台によく遊びに来る。「あっき(永田さん)は?」といつも気に掛けてくれて、最近は小さな体で車いすを押すそぶりをしてくれるようになった。一方、1人で外出した際に地下鉄の駅で通り掛かりの人に切符を買うサポートを頼むと、無視されることがある。
 障害者を、「遠い存在」と決めつけてしまわないでほしい。「おいっ子のように、幼い頃から障害者と親しく接する子どもたちがもっと増えれば、10年後はきっと良い社会になる」。そう実感する。
 団体メンバーを広く募ろうと、6月16日に初めて体験会&交流会を市太白障害者福祉センターで開く。「出会えたその瞬間こそ、グッドタイミング。いろんな人と良いご縁が結ばれる機会になるといい」。期待が膨らむ。(智)

[ながた・あきひと]88年仙台市生まれ。放送大教養学部に在学中。17年度同市初級障害者スポーツ指導員養成講習会修了。青葉区在住。グッドタイミングの連絡先は080(3330)7779、メールアドレスakki90039@gmail.com


関連ページ: 宮城 社会

2018年05月12日土曜日


先頭に戻る