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<福島復興拠点>6町村出そろう 葛尾村の計画認定、住民の帰還は見通せず

 東京電力福島第1原発事故に伴う帰還困難区域に設ける「特定復興再生拠点区域」(復興拠点)で、安倍晋三首相は11日、福島県葛尾村の計画を認定した。帰還困難区域を抱える県内7市町村のうち、復興拠点を設けない南相馬市以外の認定がそろった。ただ対象面積は帰還困難区域全体の8%で、住民の帰還も見通せない。
 葛尾村の対象区域は野行(のゆき)地区の95ヘクタール。うち81ヘクタールは稲作や畜産の農地とする。「中心地区再生ゾーン」の2ヘクタールでは、住民が交流できる集会所などを整備する。
 避難指示解除目標は2022年春で、さらに5年後に80人の居住を目指す。篠木弘村長は認定を受け「住民の思いをしっかりと形にしていきたい」との談話を出した。
 国が除染とインフラ整備を一体的に進める復興拠点は既に、県内5町村の計画が認定されていた。南相馬市は帰還困難区域の住民(1世帯2人)が転居し、計画策定を見送った。
 双葉町は17年9月に認定を受けた。JR双葉駅を中心に新市街地や耕作再開モデルなどのゾーンを設置。除染と建物解体工事が12月下旬に始まった。大熊町でも今年3月、除染がスタートしている。
 放射線量が比較的高い帰還困難区域は県内7市町村で計約3万3750ヘクタール。認定された復興拠点は2747ヘクタールにすぎない。区域の大半は避難指示解除の見通しが全く立っていない。
 復興拠点に住民がどれだけ戻るのかも未知数だ。帰還困難区域の住民登録者は約2万4000人。復興拠点の居住目標は移住者らを含め計7960人にとどまる。放射線量に対する不安は根強く、帰還をためらう住民は多いとみられる。
 内堀雅雄知事は4月中旬の定例記者会見で「(復興拠点を整備することで)帰還困難区域でも帰れるという姿を示し、希望の光になればいい」と期待した。


2018年05月12日土曜日


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