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<塩釜・私設図書館>「うみべの文庫」活動に幕 市に5000冊寄贈「善意の絵本 受け継いで」

塩釜市からの感謝状を手に、来館者と記念撮影をする長谷川さん(中列右から2人目)

 絵本提供など国内外から支援を受け、東日本大震災を乗り越えて開館した宮城県塩釜市の私設の絵本図書館「うみべの文庫」が5年半の歩みに幕を下ろした。運営する長谷川ゆきさん(64)が闘病中で、文庫にある約5000冊を7日、市に寄贈した。市は子どもと絵本をつなぐ活動を続ける長谷川さんの熱意を引き継ぎ、学びの場で活用する。

 文庫で同日、贈呈式があり、長谷川さんが支援者ら約30人の前で、市学びの支援センター「コラソン」に通う中学生2人に目録代わりの絵本1冊を手渡した。佐藤昭市長から感謝状を贈られると「支えていただいて一歩一歩、何とかここまで来られた。全て私のお薦めの本で、嫁に出す気分。大切にしてほしい」と述べた。
 元学童保育指導員の長谷川さんは、文庫の開設準備中に自宅が津波で被災。約30年かけて集めた絵本約820冊をほぼ流失した。インターネットで広く協力を呼び掛けると国内外から絵本の提供が相次ぎ、2000冊が集まった2012年11月、開設にこぎ着けた。
 文庫の開館日は週2回。貸し出しや読み聞かせもあり、子どもだけでなく大人もくつろげる居場所として親しまれてきた。
 この日は、読み聞かせに長年取り組んできた長谷川さんが「花さき山」を音読。市内の読み聞かせボランティア「おはなしびっくり箱」のメンバーも「寿限無(じゅげむ)」を披露し、来館者は文庫で過ごすひとときを心に刻んだ。
 市は寄贈本をコラソンや小中学校に置く予定。式で絵本を渡された中学1年佐藤愛芽(まなか)さん(12)は「他の通学生と楽しく読みたい」、中学3年小松千夏さん(14)は「贈られた本を読んでいろいろ知りたい」と語った。コラソンの青木真澄所長は「受け継いだ絵本を塩釜の子どもたちの宝にしたい」と話した。


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2018年05月15日火曜日


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