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<宮城県漁協>資本注入66億円 前倒し完済へ 財務基盤が回復

 宮城県漁協が東日本大震災後の2012年3月に国などから受けた資本注入計66億8000万円を、7月中に全額返済する方針を固めたことが14日、分かった。6月の総代会で正式決定する。20年度末までの完済が目標だったが、組合員の事業や生産設備の早期復旧、一部水産物の高値などで財務基盤が回復した。
 岩手、宮城、福島の被災3県の8農協と宮城県漁協は震災後、基幹産業の早期復興に向けた資金需要に応えるため、公的資金計約570億円の資本注入を受けた。今回で3県全ての被災農漁協が注入資金を完済することになる。
 県漁協によると震災後、他産地の不振が影響し、ノリやギンザケ、ワカメなどが高値で推移した。養殖ギンザケの地理的表示保護制度(GI)登録など高付加価値化の動きが活発になり、17年度の受託販売実績は震災発生前の09年度比102.7%に回復した。
 資本注入後に策定した信用事業強化計画の履行状況報告書によると、新規融資は17年11月までに1946件、計293億7400万円に上った。
 小野秀悦代表理事は「多くの組合員が早期に事業を再開して頑張ってくれ、予定より早く返済できた」と話した。今後の経営課題として、東京電力福島第1原発事故後に続く韓国政府のホヤ禁輸措置への対応や、組合員の減少傾向を挙げた。
 県漁協は11年9月末の貸出残高97億円のうち、施設や住宅の流失による被災債権が88%(85億円)を占めた。自己資本比率は10年度に7%台に低落。資本注入を経て、17年9月末には31.14%まで回復した。
 公的資本の注入は、11年7月改正の農漁協金融再編強化法に基づき農林水産省と金融庁が実施。農水産業協同組合貯金保険機構が55億1200万円、JFマリンバンク支援協会が11億6800万円の優先出資を引き受ける形で出資した。
 被災3県では仙台、おおふなと(大船渡市)、そうま(南相馬市)など8農協が計約500億円の資本注入を受け、16年5月までに全額返済した。


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2018年05月15日火曜日


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