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<ほっとタイム>犠牲者を「忘れない」 月命日、陸前高田・慈恩寺に集い祈る

今月もまた地域住民が海に向かって手を合わせた=11日

 東日本大震災で犠牲になった人々の月命日が巡るたび、陸前高田市広田町泊地区の慈恩寺に地域住民が集うようになったのは、いつのころからか。今月も11日、地震の発生時刻に合わせて約10人が集まった。
 「せめて亡くなった人を忘れないようにしたい」。ほぼ毎月参加している熊谷芳正さん(66)はこう語り、全員で境内から見える海に手を合わせた。
 寺には震災直後、100人以上が身を寄せた。被災を免れた住民が食材を提供。子どもたちは率先して井戸水をくみ、がれきをまきに風呂を沸かした。
 仮設住宅への入居、自宅の再建と少しずつ時は流れた。それでも毎月、誰が呼び掛けたわけでもないのに皆が集う。
 「バーベキューで民泊を盛り上げたいの」「もうすぐ小学校の運動会だな」。持ち寄った菓子を広げ、世間話に花が咲く。
 震災で地区の住民は減少した。それでもあの日を忘れない。これからも支え合って生きていく。(大船渡支局・坂井直人)


2018年05月15日火曜日


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