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<石巻市議選>大川小訴訟議案での市議の賛否 選挙戦への影響未知数

大川小がある河北地区を選挙カーで回る候補者(写真の一部を加工しています)

 13日に告示された宮城県石巻市議選(20日投開票)で、市大川小津波訴訟の上告関連議案を可決した市議会臨時会の対応を巡り、現職を中心とする候補者が選挙戦への影響を測りかねている。重い政治判断に議会の賛否は拮抗(きっこう)し、市民の反応も分かれた。候補者間の思惑も絡まり、各陣営は終盤に向け、有権者の反応を注視している。

 大川小がある河北地区を地盤とする候補は現職3人。賛否は割れた。
 反対した候補は「選挙運動では触れない」と断りつつ「地元の有権者は口に出さないだけで投票判断に影響がないと言ったらうそになる」と指摘した。
 賛成した候補の一人は「影響は分からない。有権者が判断する。子どもの命に関わることを選挙にプラスかマイナスかで考えるものではない」と強調する。
 地区の有権者の反応はさまざまだ。無職女性(75)が「個人的に選挙への影響はない。復興に尽くす現職を応援している」と言うように冷静な見方がある一方、複数の有権者が「上告への賛否は判断基準の一つになっている」と明かす。
 河北地区以外では、議会での判断を積極的に有権者に訴える候補がいる。「大川小訴訟問題が争点だ。現職が示した賛否が選挙に影響することは間違いない」。上告に批判的な候補の陣営幹部はこう言い切る。
 上告に賛成した現職候補は「被災地ではみんな誰かしらの遺族。被災地に近いほど、複雑な感情を抱いている」と話し、上告支持の有権者は多いとみる。
 有権者の間には賛否両論がある。公務員男性(48)は「遺族の感情を考えれば、可決すべきではなかった」と市議会の判断を批判した。主婦(69)は「教員の負担が問題となる中、さらに負担を増やすことになりかねない」と判決そのものを疑問視した。
 臨時会の採決前には、議員の間で「支持者の間でも賛否があり、迷っている」「市民の反応が読めない」と戸惑う声が聞かれた。
 ある陣営のスタッフは「地元の人は触れたがらないデリケートな問題。両方の反応があり、影響は読めない」と神経をとがらせる。
 市議選(定数30)には現職25人、元議員2人、新人11人の計38人が立候補した。

[石巻市大川小津波訴訟]東日本大震災の津波で死亡・行方不明になった大川小の児童23人の19遺族が市と県に約23億円の損害賠償を求めて起こした。仙台高裁は4月26日、学校と市教委の事前防災の不備を認め、市と県に計約14億3610万円の賠償を命じた。市は5月8日の臨時会に上告関連2議案を提出。賛成16、反対12で可決し、市と県は10日に上告した。


2018年05月16日水曜日


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