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<東北地銀>金融庁試算に反論「粗い分析」「現実合わぬ」

 青森や秋田などで地方銀行の存続が困難と試算した金融庁有識者会議の報告書について、東北の地銀、第二地銀のトップは2018年3月期決算の記者会見で、「現実に合わない」などと一斉に批判した。一方、同会議がその根拠とした地銀の厳しい経営環境に関しては認識と危機感を共有。各行・グループは連携や業務効率化を進め、生き残りを図る方針を示した。

 報告書は、人口減少が続く各地域で地銀2行分のシステムや人件費を賄う収益を得られるかどうか試算。東北では青森と秋田が「1行でも存続が難しい地域」に分類された。岩手、山形、福島は「1行単独なら存続が可能」、宮城は「2行の存続が可能」だった。
 北都銀(秋田市)の斉藤永吉頭取は「単に人口減少というマイナス面だけを捉えた粗い分析。地銀が取り組む地域産業の育成と成果は考慮されておらず、真に受けるのはどうかと思う」と不快感を示した。
 きらやか銀(山形市)の粟野学頭取は、既に県境を越え仙台銀とじもとホールディングス(仙台市)を形成したことを踏まえ「(報告書の内容が)現状とマッチしているのだろうか」と疑問を呈した。東北銀(盛岡市)の村上尚登頭取は「一行だけでいいのか、逆に問いたい。複数のサービスを比べ、選びたいというニーズが多い」と強調した。
 各行は、重要な収益源として利ざやの大きい中小企業向けの貸し出しを重視、18年3月期決算では1行を除いて貸出金残高が増えた。報告書は企業数の減少に伴って残高も減り、将来の収益悪化は避けられないと指摘し、経営統合を「一つの選択肢」と結論付けた。
 統合について、岩手銀(盛岡市)の田口幸雄頭取は「地域活性化へ努力するが、取引先がメリットを感じるならば前向きに考えたい」と述べ、大東銀(郡山市)の鈴木孝雄社長は「顧客に迷惑が掛かる状況になれば考える」と語った。
 荘内銀(鶴岡市)と北都銀を傘下に持つフィデアホールディングス(仙台市)は4月、両行の組織体系も統一するなど統合をさらに強化。田尾祐一社長は「これまでとは違った次元の効率的で生産性の高い組織をつくれば生きていく道はある」と力説した。
 合併の可能性を否定し、単独での存続を目指す地銀は業務効率化で危機を乗り切る考え。秋田銀(秋田市)の新谷明弘頭取は「少人数の運営店舗を増やし、維持コストを削減できれば単独でできる」と説明した。


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2018年05月18日金曜日


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