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<全国新酒鑑評会>宮城・美里「黄金澤」が15年連続金賞

 全国新酒鑑評会では、宮城県美里町の「黄金澤(こがねさわ)」と秋田市の「高清水」が、全国最多の15年連続金賞に輝いた。「黄金澤」を製造する酒蔵「川敬商店」にとって、大黒柱が仕込みに参加できないという危機を乗り越えての栄冠となった。
 吟醸仕込みを翌日に控えた今年1月14日、杜氏(とうじ)を務め長らく蔵を支えてきた川名正直社長(68)が大けがを負った。想定外の事態に不安が広がったが「1回でも造らなくなったら酒蔵は終わり」という信念の下、スタッフ5人が結集。親方抜きの仕込みを決意した。
 特に酒造りに携わる川名社長の長女・由倫さん(29)は、大きな重圧を感じていた。同じく経営を担う母・真紀子さん(63)は「仕込みを終えても、1カ月くらいは自宅と酒蔵がある敷地内から出ずに出来栄えを気にしていた」と、まな娘の苦労を振り返る。
 3月末に一升瓶1000本、四合瓶1000本の出荷にこぎ着けた。ファンからの「いつも通りおいしいよ」という言葉が何よりもうれしかったという。
 発表があったこの日、由倫さんは得意先を訪れるため関東に出張。電話で受賞を知らせた真紀子さんは「娘は一言『よかった』と言っていた。安心しただろうし、放心状態という感じだった」と心情を思いやる。
 これまでの14年とはひと味違った勝利の「美酒」に真紀子さんは「アドバイスをくれた同業者や友人の力添えがあってこその受賞」と周囲へ感謝の気持ちを忘れない。会社の名刺に書かれた「14年連続金賞受賞」を作り直すのが楽しみだ。


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2018年05月18日金曜日


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