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<にゃんとワンポイント・実践編>命守る不妊・去勢を

◎地域猫活動

 「地域猫」という言葉をご存じですか? 外を自由に歩き、野良猫と同じように見えますが、不妊・去勢手術を終えて、次世代を残すことがなく、ボランティアや地域住民に見守られている猫のことです。

 このような活動が始まったのは、野良猫に困っている人がいるからです。地域猫活動では(1)不妊・去勢手術を施し、猫の数が増えすぎないようにする(2)場所や時間を決めて餌を与え環境を清潔に保つ−などが行われています。

 野良猫は居心地のいい場所を探して自由に行動します。軟らかい土で排せつし、ちょうどいい木で爪を研ぎ、隠れられる場所で出産・子育てもします。

 庭に猫が来て困ったとき、居心地の悪い庭づくりをしなければなりません。足触りの悪い地面(砂利や硬い草)、強い臭い(ハーブやかんきつ類、酢)、隠れられない環境(縁の下にライト)…。せっかくのお庭を猫の好まないように作るなんて、やりがいのない苦労ですよね。

 「弱った子猫を母猫が置いて行ってしまった」と庭主さんから相談を受けることがあります。庭主さんが子猫を療養し、飼う場合もあります。しかし、猫は一度に5匹以上産むことも多く、何度も同じ場所で出産します。その度に子猫を飼っていたら大変です。

 2016年度に宮城県動物愛護センターに搬入された猫1036匹のうち、746匹が殺処分されました。多くが野良猫で、ふん尿やイタズラなどの迷惑行動が搬入理由です。猫の数を増やさないことが大事で、そのために野良猫に不妊・去勢手術を施す必要があるのです。

 元気な子に手術を受けさせるのはかわいそう、という考えもあると思いますが、今や飼い猫の多くは健康のために不妊・去勢手術を受けます。生殖器の病気や、発情に伴うけんかでのけが、野良猫からのウイルス感染を予防できるからです。手術の際は麻酔で眠っていますし、覚めた後も強い痛みはないはずです。

 自治体によっては、地域猫の不妊・去勢手術に対して助成金制度があります。地域で猫たちの命を守りましょう。各自治体や動物病院にご相談ください。(獣医師 後藤千尋)


2018年05月18日金曜日


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