宮城のニュース

殻付きカキをベトナムへ 石巻のヤマナカ6月輸出開始、通年出荷できる市場獲得目指す

水揚げされたばかりのカキの状態を確かめるニャンさん(左)

 水産加工のヤマナカ(石巻市)は6月、宮城県産殻付きカキのベトナムへの輸出を始める。県産カキは生食用のむき身がメインで国内需要の多い冬場に出荷が集中するため、春以降は大規模な出荷がなかった。海外では殻付きカキが主流で一年中流通している。同社は、経済成長が続くベトナムを皮切りにアジア各国に県産の殻付きカキを売り込み、通年出荷できる市場獲得を目指す。
 ベトナムの水産物輸入会社「レコンシーフーズ」のレ・タン・ニャンさん(45)が4月、ヤマナカの生産施設などを視察し、水揚げしたカキを試食。「塩辛いが、飲み込んだ時の甘さが他国産よりも強い。ベトナム人の好みに合う。フランス産カキより安いことも魅力だ」と話した。
 殻付きカキのブランドとして、ベトナムではフランスやカナダ、米国産が有名で、日本のカキはほとんど流通していないという。
 レコン社はベトナムで約500のレストラン、スーパーを顧客に持つ。ヤマナカと交渉し、6月からひと月当たりコンテナ1個分(約10トン)の殻付きカキを購入することを決めた。
 宮城県漁協によると、県内産のカキは生食用のむき身が9割以上を占める。昨年9月から今年3月末までの生産量は約1600トン。4月以降は県の指導指針で加熱用での出荷に変わり、価格が下がるなどの理由で出荷量が大きく減少する。
 ヤマナカは出荷先に安定した価格で提供するため、各浜の殻付きカキを購入する権利を県漁協から取得。輸出に必要なベトナム政府のライセンスも取った。殻付きカキが主流の海外で人気を高めるため、カキ養殖漁師と殻の形を整える取り組みも進める。
 同社の高田慎司社長は「県産カキの旬は冬ではなく春。3月以降の抱卵前に身が大きくなる。最もおいしい状態の県産カキを海外に輸出し、取引先を開拓したい」と語る。
 ヤマナカと取引する宮城県女川町のカキ養殖漁師鈴木政義さん(54)は「漁師になって20年だが、カキの単価は変わっていない。苦労していいものを作っている。販路が広がり、収入が上がればうれしい」と期待する。


関連ページ: 宮城 経済

2018年05月19日土曜日


先頭に戻る