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イノシシ急増、東へ猛進 宮城県内の生息域拡大止まらず 石巻でも目撃、市が有害駆除を許可

4月10日朝、石巻市大川地区で住民が撮影したイノシシ(県猟友会河北支部提供)

 宮城県内で急増するイノシシが石巻市でも目撃され、関係者が警戒を強めている。県南が北限とされてきた生息域が県北に拡大し、さらに県東部に広がっている可能性がある。イノシシは繁殖力が高く、一度すみ着けば農作物被害が懸念される。市は田畑を荒らされてからでは遅いと判断し、初めてイノシシの有害駆除に乗り出した。
 市によると3〜4月、市内で少なくとも5件の目撃情報があった。内訳は稲井地区1件、大川地区4件。いずれも単独で行動していた。県猟友会河北支部が大川地区の住民から入手した写真では、道路脇にたたずむ姿が確認できた。
 同支部によると、以前から市内に生息していたと考えられるが、警戒心が強く、今回のように頻繁に姿を見せるのは珍しい。市外から入ってきたイノシシが縄張りを主張しているか、生息数が増え、餌を求めて山から下りてきた可能性がある。
 市は今月11日、県と猟友会を交えて対応を協議。農作物被害は確認されていないが、目撃場所が農地に近い状況などを考慮し、同日付で有害駆除の許可を決めた。猟友会は4月29日から牡鹿半島などで急増するニホンジカの駆除を始めており、イノシシと遭遇した場合も捕獲が可能となった。
 河北支部の三浦信昭支部長(76)は「増えるのが分かっているのに見逃すわけにはいかない。生息域が広がる前に捕獲したい」と臨戦態勢を敷く。
 イノシシは年1回の出産で平均4〜5頭の子を生む。県内の生息域は宮城県丸森町が北限とされてきたが、温暖化や狩猟者の減少で奥羽山脈に沿って県北に拡大している。
 県自然保護課によると、県内の捕獲頭数は2011年度の2000頭に対し、16年度は8330頭に増加した。稲などの農作物被害も11年度比3.4倍の約9160万円に上った。
 これまで東部地区では捕獲の実績や農業被害はなかったが、今回の生息確認で予断を許さない状況になった。
 石巻市ニホンジカ対策室の担当者は「イノシシは土を掘り返してミミズも食べるので農作物だけでなく農地にも被害が出る。生息数が少ないうちに捕獲し、早急に対応したい」と気を引き締める。


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2018年05月19日土曜日


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