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<東北の本棚>子どもを見守り続けて

◎保育士という生き方 井上さく子 著

 約40年にわたり、東京都内の公立保育所で保育士、園長として子どもの成長を見守り続けた著者が、仕事への情熱や信条、子どもへの思いをつづった。「指示・命令・禁止」用語を使わず、「丸ごとあなたのままでいい」というメッセージを届ける保育、目の前の子どもを真ん中に据えた保育を実践してきた著者の言葉は、現役保育士や保育士を目指す人だけでなく、子育て中の親にとっても指南書となるだろう。
 「保育士の現場」「保育士をめざして」「保育士として、母親として」「保育園は園長によって決まる」「子どもの未来のために」の5章構成。遠野市生まれの著者は、近所の子どもの子守が好きで、小学生の時には「保母さんになる」と決めていたという。15歳で上京、高卒後に働きながら養成学校に通って念願の保育士となった。
 「のぶちゃんの紙パンツ」「とくえいくんとリズム遊び」など、実際にあった子どもとのエピソードを紹介し、子どもの理解できるスピードに合わせて話すことや、信じて待つことの重要性を学んだと振り返る著者。「子どもとの触れ合いから教わったことが多かった」と記す。
 娘2人を持つ母親としての葛藤もあった。「保育園のお友達と私、どっちが大事?」と次女に聞かれたが、人生を生ききるには働き続けて得る学びが大事だと、仕事人であり続け、その姿を娘たちに見せた。良い保育とは何か。自分はどんな保育をしたいのか。自らに問い、信念を持ち続ける大切さを説く。
 著者は1953年生まれ。「だいじょうぶ−さく子の保育語録集」の著書がある。本著は「仕事と生き方」シリーズの一つ。
 イースト・プレス03(5213)4700=864円。


2018年05月20日日曜日


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