宮城のニュース

<気仙沼・防潮堤施工ミス>市が宮城県に抗議 現状維持案を批判 住民の意向反映求める

県が22センチ高く造っていた防潮堤=気仙沼市魚町

 気仙沼市内湾地区の防潮堤高を宮城県が誤って施工した問題で、気仙沼市は22日、住民の意向を踏まえず現状のまま設置する方針を示した村井嘉浩知事に抗議する内容を含む文書を送ったと明らかにした。菅原茂市長は同日の定例会見で村井知事の手法を批判。県に対する市の不信感は根深く、両者の溝は深まりつつある。
 市によると、県農林水産部長宛てに「魚町防潮堤について」との文書を21日にメールで送った。18日に住民団体「内湾地区復興まちづくり協議会」が開いた会合で協議会は「造り直し」を求めたが、村井知事が「現状のまま設置」を提案したことへの市の見解をまとめた。
 県は当初、(1)造り直し(2)背後地かさ上げ(3)現状のまま設置−の3案を示し、住民の意見を尊重するとしてきたが、村井知事は造り直しに2億〜3億円の費用がかかり、県民全体の理解が得られないことなどを理由に協議会の総意を覆した。
 文書は村井知事の判断に「住民や地権者には理解しがたく、県政に対する県民の信頼を著しく損なう」と反論した。さらに(1)「造り直し」は内湾地区の総意(2)市内に造る防潮堤は住民合意が前提(3)市は県と住民が合意するよう努める−との考えを示した。
 市役所であった定例会見で菅原市長は「選択していない案を示された市民はショックを受けた。通常の県と県民の関係では考えられないやり方」と非難、「合意なきものを造られては禍根を残す」と強調した。
 村井知事が気仙沼市を再訪する意向を示したことには「また同じやりとりを繰り返すべきではない」と述べ、住民と県、市が事前に調整する必要性を訴えた。
 21日の県議会環境生活農林水産常任委員会で、武藤伸子農水部長は「住民が混乱しないよう、今後も丁寧に誠意を持って対応したい」と話している。


関連ページ: 宮城 社会

2018年05月23日水曜日


先頭に戻る