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<航研機>80年前、周回長距離の世界記録、歴史一冊に 三沢航空科学館・大柳館長が執筆

復元された航研機の前で本を手にする大柳館長

 80年前に周回長距離飛行の世界記録を出した「航研機」の開発の歴史などをまとめた「紅の翼『航研機』ものがたり」を、青森県三沢航空科学館(三沢市)の大柳繁造館長(85)が執筆した。同機の誕生までに、県出身者が果たした役割にも触れた。近く航空科学館で発売する。

 航研機は東京帝国大(現東大)航空研究所が開発した長距離飛行研究機。1938年5月13日に千葉県木更津市を飛び立ち、関東上空の1周約402キロのコースを約62時間かけて29周して、同15日に飛行距離1万1651キロを達成。国際航空連盟(本部パリ)に世界記録として認定された。
 今回の本は、大柳館長が軍事雑誌の月刊「丸」で2013〜15年に16回にわたって掲載した内容をまとめた一冊。過去の書籍や資料を参考にしたり、製作者の関係者に取材したりして執筆した。古い写真や図面なども交えながら、開発の経緯や開発者の姿、記録達成時の様子などを紹介する。
 航研機の設計には青森県五戸町出身の木村秀政が加わり、機体製作の技師長をむつ市出身の工藤富治が務めた。記録達成時の飛行では、弘前市出身の藤田雄蔵が主操縦者となるなど同県にゆかりが多く、航空科学館には実物大の復元機が展示されている。
 本は青森県内全中学校にも1冊ずつ配布する予定。大柳館長は「世界記録を達成した日本で唯一の飛行機で、しかも県出身者が3人も関わっている。そのことを知って、若者に夢を持ってもらいたい」と話した。
 B6判250ページで400部製作。県航空協会(事務局三沢航空科学館)が発刊し価格は1000円(税込み)。連絡先は三沢航空科学館0176(50)7777。


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2018年05月23日水曜日


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