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発達障害のケアに情熱 40年、親子1万組支援 仙台の専門医金野さん

関わった子どもたちのカルテを前にする金野公一医師=10日午前11時ごろ、仙台市太白区の障害者福祉事業所

 対人関係に困難を抱える自閉スペクトラム症や注意欠如・多動症など、発達障害がある子どもとその家族のケアに長年、小児科医の金野公一さん(77)=仙台市太白区=が取り組んできた。発達障害という概念が広まっていない時代から独学で研究を始め、これまでに関わった親子は1万組を超える。数少ない専門医として、自ら重い病と闘う今も親向けの勉強会や講演会を精力的に重ねている。

 金野さんは現在、社会福祉法人仙台はげみの会(仙台市)などが運営する児童発達支援センターや市の発達相談支援センター、障害者福祉事業所の嘱託医を務める。
 「親を育てることが私の仕事」との信念から発達障害の傾向がある2、3歳児の親を対象にした勉強会を続けている。気になることや対応方法などを少人数で話し合い、多くの子どもや大人を診た経験を踏まえて助言する。
 金野さんは「発達障害児には穏やかに暮らせる大人になってほしい。小さいうちから、その子に合わせた人生の在り方を考えることが大切だ」と強調する。
 一関市で生まれ、東北大医学部に進んだ。2歳下の弟は中学生の頃から学校に行かなくなり、精神疾患と判断された。家庭で暴力を振るい、母親が苦労していた。医師として、家族の役に立とうと思った。
 駆け出しの秋田大病院小児科では、てんかんや脳性まひなど小児神経領域の診療に当たった。
 1978年、新設された仙台市心身障害者相談センター(現・市発達相談支援センター)に非常勤で勤め始め、専門を発達障害に変えた。センター長を務めた後、横浜市の療育センターでも所長として自閉症などの診療・相談に従事した。
 昨年1月、腎臓がんが転移した腰椎を骨折し、寝たきりになった。だが放射線治療を受け再び歩けるようになり、約1年後に診療を再開。太白区の高齢者向け住宅から電動車いす、歩行器、公共交通機関を使って診察に通っている。
 発達障害と診断される子どもは増えているが、専門医はまだ少ない。「生涯現役でいたい」と意気込む。
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 仙台はげみの会は6月6日午前10時半から、金野さんの講演会を青葉区の市福祉プラザで開く。定員は先着70人で、参加申し込みは5月31日まで。連絡先は市田子西たんぽぽホーム022(258)8825。


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2018年05月24日木曜日


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