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<杜の都のチャレン人>息整え心身はつらつ

「少なくとも80歳までは教室を続けたい」と指導に励む長坂さん=仙台市泉区の高森市民センター

◎呼吸法で地域住民を元気に 長坂武志さん(75)

 みずおちの下を緩めてくぼませ、上体を倒して丹田を意識しながら丁寧に息を吐く。さらに胸式や腹式、逆腹式と呼吸の仕方や体の動かし方を変えながら、さまざまなスタイルでレッスンが続く。約1時間半後、心身の調和が図れたかのように、参加者の表情は晴れやかだった。
 三菱地所(東京)で仕事にまい進し、52歳で関連会社の専務に抜てきされた。重責を感じる日々が続き、ある日の役員会で目まいや動悸(どうき)、冷や汗が止まらなくなった。54歳だった。バブル経済崩壊の影響や難しい人間関係による過度のストレスで、自律神経失調症などの体調不良に陥った。
 「会社を辞めようか」。思い詰めていた55歳の時、運命的な本と出合った。調和道協会2代目会長で医学博士の故村木弘昌さんの「健心・健体呼吸法」と「丹田呼吸健康法」だ。「読むうちに自分を救ってくれると確信した」
 本に導かれるように東京都にある本部の道場に通い始めた。調和道の呼吸法は真言宗僧侶の藤田霊斎が1907(明治40)年に創始。村木さんが体系化し、故日野原重明さん(聖路加国際病院名誉院長)らが会長を務めるなど由緒がある。
 「わらにもすがる思いで呼吸法に励んでいたら、半年後には体調が回復した。以来、人生を好転させる呼吸法が日課となった」と振り返る。
 2007年、退職を機に、会社員生活で通算15年間住んだ仙台に居を構えた。同時に地域住民の健康増進に役立ちたいと、泉区の高森市民センターで呼吸法の教室を開講、月3回の指導を続けている。
 「息の仕方は生き方につながる。呼吸法はお金もかからないし、誰でもできる。正しい方法で地道に続ければ、心身が元気になってくる。最高の健康法だと思う」。はつらつとした姿は呼吸法のたまものだ。(ぬ)

[ながさか・たけし]42年山梨県北杜市生まれ。東北大法学部卒。三菱地所グループ経営部長や横浜ロイヤルパークホテル社長などを務めた。仙台市泉区在住。教室の連絡先は090(6009)0873。


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2018年05月26日土曜日


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