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中小河川 監視を強化 増水時のみ作動、低コスト「危機管理型水位計」東北各県導入へ

 東北各県が管理する中小河川で本年度、洪水発生時のみ作動する「危機管理型水位計」の設置が始まる。監視が十分に行き届かない河川の氾濫で岩手県に大きな被害をもたらした2016年台風10号豪雨などを教訓に、国土交通省が主導する。低コストで高精度な情報収集体制の構築を目指す。
 東北6県の従来型水位計(既設)と、危機管理型水位計(予定)の設置数は表の通り。
 中小河川の多い岩手、福島の両県は、危機管理型の導入で観測地点が3〜4倍に増える。常時観測している従来型と合わせ、生活圏に隣接するほぼ全ての河川で監視が可能になる。
 危機管理型の本体は1台当たり100万円以下で、開発を主導した国交省が半額を補助する。従来型(約1000万円)に比べて初期費用を大幅に抑制できる上、増水時のみデータを送信するため通信費も割安になる。
 観測した水位情報は、国交省と自治体が共同運営する専用ウェブサイトなどで誰でも閲覧できる。自治体の避難情報や住民の自主避難の判断材料となる。
 岩手県は7月にも設置作業を始め、台風10号豪雨で氾濫した小本(おもと)川(岩泉町)など259河川に整備する予定だ。秋田県は17年秋田豪雨の被害を踏まえ、市町村と設置箇所を協議する。
 山形県高畠町では既に試験運用が始まっている。積雪や低温による内蔵バッテリーの消耗速度や、太陽光パネルが取り込む日照量を調べ、寒冷地でも年間を通じて正常に作動するかどうかを検証中だ。
 岩手県の野崎弥河川海岸担当課長は「危機管理型水位計の導入で上流部の水位をより細かく把握できるようになれば、下流部の住民の迅速な避難行動に役立つ。特に要援護者がいる施設の管理者に有効活用してほしい」と話す。

[危機管理型水位計]水位が設定値を超えた場合に限り、約10分間隔で観測を始める。無給電で5年間の稼働が可能。堤防から河川にケーブルを投入して水圧の変化で計測するタイプや、橋脚に設置して水面の高さを電波や超音波で計測するタイプがある。


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2018年05月26日土曜日


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