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<学都仙台フリーパス>値上げ案、与党3会派で割れる賛否 学生の負担増「やむを得ず」「利用減る」

学生らで混雑する平日朝のJR仙台駅西口バスターミナル

 仙台市交通局の通学定期券「学都仙台 市バス・地下鉄フリーパス」の一部料金を引き上げる条例改正案が、市議会で継続審査となっている。市バス事業の財務改善に向けた値上げ案だが、約1万人の学生に負担を求めることになるだけに、市政与党3会派の間でも賛否が割れている。

 フリーパスは市バスのみ、地下鉄のみ、市バスと地下鉄の組み合わせなど7種類があり、市バス利用の4種類を1カ月800円ずつ引き上げる。一般的な区間定期券より割安だが、市バスの初乗り区間(150円)だけ利用すると、フリーパスの方が高くなる。
 増収効果は年間約6000万円を見込む。フリーパス事業は導入当初の「採算度外視」(市交通局)の料金設定に加え、利用客増加に伴う増便により赤字が続いており、料金の引き上げで収支均衡を目指す。
 条例改正案は市議会2月定例会に提出され、「値上げは時期尚早」と継続審査になった。市議会は今月31日、予算等特別委員会を開いて再審議するが、依然として賛否が分かれている。
 反対姿勢を鮮明にするのは郡和子市長を支える与党会派の一つ共産党市議団。花木則彰幹事長は「バス事業の赤字解消が理由というが、値上げすれば乗車する学生が減り、赤字はむしろ拡大する」と懸念する。
 これに対し、同じく与党会派の社民党市議団の辻隆一代表は「利用者増の取り組みは重要だが、値上げはやむを得ない」と話し、アメニティー仙台の田村稔代表は「最も安い価格設定だった定期券であり、今回の値上げには賛成するしかない」と明言する。
 昨年8月の郡市長就任以降、市議会は少数与党体制。市提出議案成立の可否は最大会派の自民党を含む市政野党の動向が鍵を握る。
 自民党の鈴木勇治会長は「値上げだけで抜本的な解決にはつながらない。全庁挙げて交通事業をどう支援していくか、市内部の議論の深まりを見極めたい」と注視する。
 公明党市議団の鈴木広康幹事長も「値上げに反対する声は多い。理解を得る努力をどれだけしたのか」と指摘。市民ファースト仙台の木村勝好代表代行は「学生に負担を求める前に、あらゆる増収策を尽くしたのか」と疑問を投げ掛ける。
 市交通局は早期に議決を得て10月1日の料金改定を目指す。経営企画課の阿部博樹課長は「初乗り区間以外はフリーパスの方が安く、お得な定期券に変わりない。学生や市民の理解が得られる範囲内の見直しではないか」と理解を求める。

[学都仙台 市バス・地下鉄フリーパス]仙台市バス全線、地下鉄南北線と東西線の全路線が乗り放題となる通学定期券。2008年、大学生らの市バス、地下鉄需要の掘り起こしを目的に試験導入。10年、対象を小中高生などに拡大し、本格実施した。現行の1カ月の料金は市バス区間のみが5140円(小学生以下2570円)。市バスと南北線、東西線が1万1460円(5730円)。


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2018年05月27日日曜日


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