福島のニュース

<原発ADR打ち切り>浪江町で秋にも集団提訴 慰謝料の一律増要求

福島県浪江町と支援弁護団の説明を聞く避難町民=福島市の県青少年会館

 福島県浪江町の町民約1万5700人が申し立てた東京電力福島第1原発事故に伴う慰謝料増額の和解仲介手続き(ADR)が打ち切られた問題で、町と弁護団は避難先の福島市と二本松市で26日開いた町民説明会で、東電に一律の慰謝料増額を求め、秋にも集団提訴する考えを示した。
 町などは27日のいわき市と浪江町、29日の東京での説明会や全世帯対象の意向調査の結果を確認し、町民が原告となって提訴する方向。当初の訴訟費用は1人当たり10万円を見込む。
 説明会には2会場で計約350人が参加。町と弁護団は東電の和解案拒否でADRが打ち切られた経緯を説明。集団提訴か個人によるADRへの切り替えかの選択肢を挙げ、全国の訴訟状況も解説した。
 東電側の姿勢などに関する質問に弁護団は「対応は年々悪くなり、政府も黙認している」と強調。責任を明確にすべきだと訴訟の必要性を唱えた。
 訴訟の説明会は6〜7月に開く予定。各世帯に配布済みの意向調査票は6月15日までに回収する。
 福島県桑折町に避難する川合陽一さん(70)は「東電と政府は一心同体で、ADRは欠陥商品のよう。東電と政府の理不尽さを暴く別の手法があるのではないか」と集団訴訟には加わらない考え。栃木県那須塩原市に避難した斉藤政寿さん(71)は「東電と国の言いなりになりたくない。浪江の暮らしを失った」と訴訟に参加する意向を示した。
 浪江町の集団ADRは7割超の町民が申し立てた。原子力損害賠償紛争解決センターは月額1人5万円を上乗せして慰謝料を15万円とする和解案を提示。東電は6度拒否し、センターが4月に町へ仲介打ち切りを伝えた。


2018年05月27日日曜日


先頭に戻る