岩手のニュース

<インバウンド>外国人旅行者を海岸まで 岩手県と沿岸被災地が取り組み強化

外国人にも対応する宮古市の「学ぶ防災ガイド」

 2017年に岩手県を訪れた外国人旅行者が26万1532人(前年比60.2%増)と過去最高を更新する中、沿岸部への入り込み数が全県のわずか3.5%にとどまった。県と沿岸市町村は、東日本大震災の被災地見学に着目し、外国人旅行者の呼び込みに力を注ぐ。
 外国人旅行者の大半は、東北新幹線か花巻空港を利用して来県する。「多くは温泉やスキー、お花見が目当て。交通軸からそれて2時間以上かかる沿岸部へは、どうしても足が向きにくい」(県観光課)。
 しかし県は「逆に沿岸部へ足が向けば、外国人観光客の来県数を底上げできる」と旅行会社に沿岸部を巡る外国人向け観光コースを提案する。
 沿岸12市町村で最も外国人観光客が多いのは、国の天然記念物「龍泉洞」がある岩泉町だが、それでも17年の入り込みは3511人だった。
 外国人旅行者の動線を海岸まで伸ばそうと宮古市は、観光名所の浄土ケ浜などに加え、震災ツアーでも多言語対応に着手した。
 田老地区の震災遺構「たろう観光ホテル」などの案内には、必要に応じて市国際交流協会が通訳を派遣する。パンフレットも英語版のほか中国語版などを用意。インターネットの動画投稿サイトには5カ国語で作った映像を投稿した。
 市観光文化交流協会は「参加した外国人客には『地元の人から震災の様子を聞いて衝撃を受けた』『すぐに逃げることの大切さを実感した』と好評だった」と手応えを感じている。
 6月22日には宮古−室蘭(北海道)間に定期カーフェリーが就航する。市観光港湾課は「東京、大阪に次いで外国人旅行者の多い北海道との直航ルート開拓は絶好のチャンス」と捉えている。


2018年05月31日木曜日


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