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避難時の要支援者の名簿提供、宮城・七ケ浜町が県内初の条例制定へ

 宮城県七ケ浜町は、自力避難が困難な高齢者や障害者らを日頃から地域住民が見守り、災害時の迅速な避難行動につなげるため、要支援者の名簿情報の提供に関する条例を制定する。名簿作成は県内の自治体で進むが、条例化は県内初。対象者は名簿に自動登録され、提供を拒む人を除いた名簿が地域の平時の見守りに生かされる。町は6日開会の町議会に条例案を提出し、可決されれば10月に施行する。
 個人情報保護制度の守秘義務が防災面で住民の状況把握を妨げるとの指摘がある中、要支援者名簿の実効性を高め、地域内の横の連携を強めて備えるのが狙い。町は希望者のみ載せる従来の名簿を、より多くの要支援者を網羅する名簿に改める。
 要支援の対象者は、(1)75歳以上のみの世帯(単身を含む)(2)一定程度の障害者手帳所持者(3)要介護3以上の人。町は対象者全員の名簿を施行までに作る。
 名簿は区長や民生委員らに配布され、見守り活動や訓練などに活用される。プライバシーなどに配慮し、通常時に地域に配られる名簿に載せられたくない人は拒否できる。ただし大規模災害時は災害対策基本法に基づき、対象者全員の名簿が地域に提供される。
 従来の名簿登録者は65歳以上の世帯で希望者のみだったが、シニア世代の活躍を考慮し対象年齢を引き上げた。今回の見直しで要支援の対象者数は減るが、名簿登録者は2.2倍の約1600人になる見込み。
 条例案は町地域防災計画とも連動。町は来年初めに町内全15地区にそれぞれ「要支援者ケース会議」を設ける方針で、地区関係者の情報共有の場として来年度からの本格運用を目指す。
 寺沢薫町長は「地域での要支援者の情報共有は個人情報保護の壁が厚く、東日本大震災前から課題と捉えていた。助けるべき人を把握していないと、いざという時に対応できない。より実践的に備えたい」と話している。


2018年06月01日金曜日


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