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<野蒜小津波訴訟>最高裁、東松島市の上告退ける 学校側の過失確定

 東日本大震災で小学校に避難した後、学校の判断で帰宅し、津波にのまれて死亡した東松島市野蒜小3年の女児=当時(9)=の遺族が市に損害賠償を求めた訴訟は、学校側の過失を認め約2650万円の支払いを命じた二審仙台高裁判決が確定した。最高裁第2小法廷(山本庸幸裁判長)が5月30日付で市の上告を退ける決定をした。
 津波からの避難を巡り犠牲者遺族が起こした訴訟で、自治体の賠償責任を認めた判決が確定するのは初めてとみられる。
 確定判決によると、2011年3月11日の震災発生後、女児は小学校の体育館に避難。同級生の父親が女児を家まで送り届けると申し出たため、学校側は女児を引き渡した。女児は自宅に送られた後、津波に巻き込まれ死亡した。
 市は女児が死亡することは予見できなかったと主張。16年3月の一審仙台地裁判決は、女児の自宅が学校より海側にあったことなどから「校長は女児を帰宅させると津波に巻き込まれると予見できたのに、全く考慮せずに引き渡した」と指摘、校長の過失を認定した。
 昨年4月の二審仙台高裁判決も「事前に登録した保護者が引き取りに来るまで、学校での保護を継続すべき義務があった」として過失を認め、一審判決を支持した。
 この訴訟では、小学校の体育館に避難し、死亡した女性=当時(86)=の遺族も「校長が2階以上に避難誘導しなかった」として市に賠償を求めたが、最高裁は5月30日付で上告を棄却し、遺族の敗訴が確定した。野蒜小の体育館では、避難者のうち少なくとも18人が死亡した。

◎東松島市長「災害への対策一層強化する」

 東松島市の渥美巌市長は「決定は、今後の教育現場における災害対応について、非常に影響が大きいと受け止めている。判決内容や(震災の)経験を基に災害対策の取り組みを一層強化する」との談話を出した。


2018年06月01日金曜日


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