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<青森・深浦>町営診療所苦難の門出 公募不発医師不足の懸念続く

1日に開所した深浦診療所

 青森県深浦町が直営する深浦診療所が1日、開所した。少ない医師で町全体の医療体制を確保するのが目的。新設と並行して実施した、医師の公募は好条件にもかかわらず、不発に終わった。医師不足は今後も続くことが見込まれる。

 深浦町は南北に約80キロある海岸線に沿って、集落が点在している。以前は町の北部と南部に町の診療所があるほかに、中心部に民間の診療所があった。だが、民間の診療所は2017年3月に閉院し、町中心部から医者がいなくなった。
 深浦診療所は中心部の高台に建てられた。勤務する医師は常勤2人。1日約80人の外来患者を見込む。入院施設はないが、在宅での診療にも取り組む。
 町内の各地区に停車する無料の送迎バスも整備した。開所に伴い、南部の診療所は今年4月に閉じた。
 診療所を新設した目的は少ない医師で、南北に距離がある町全体の医療を確保するため。町の診療所は14年6月から、常勤の医師は1人しかいない状態が続いていた。
 町は診療所新設計画と並行して、同年7月から医師の公募も始めた。年収は2200万円に設定し、光熱水費などのかからない一戸建ての住宅を用意。年間40万円を上限に、医師が学会に参加する旅費にも補助を出すことを決めた。
 それでも医師は見つからなかった。16年に北海道の60代と関東地方の50代の医師から内諾を得たが、体調不良や家族の健康問題を理由に辞退された。結局、13年度に退職し県内の別の病院に勤務していた山田悦輝医師(76)が、町の診療所に戻ることを決めた。
 山田医師は「事情を知って見て見ぬふりはできなかった。医療の専門性が高まっているため、若い医師は地方で勤務しづらいのだと思う。若手が自分を高められる環境をつくっていきたい」と語った。町は今後も医師の公募を続ける。


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2018年06月02日土曜日


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