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<汚染廃>試験焼却の反対意見相次ぐ 大崎で説明会 市長、近く最終判断

試験焼却実施への理解を求めた伊藤市長(中央)

 宮城県大崎市は2日、市内3カ所で、東京電力福島第1原発事故で生じた国の基準(1キログラム当たり8000ベクレル)以下の汚染廃棄物の試験焼却に関する住民説明会を開いた。住民の反対意見が相次いだものの、伊藤康志市長は近く市議会6月定例会への関連予算提出を最終判断するとみられる。
 説明会の開催は昨年8月以来。焼却施設と最終処分場がある古川、岩出山、三本木の3地区で実施し、延べ約250人が参加した。
 放射性廃棄物の専門家のほか、環境省や県の担当者も同席。(1)希望者への健康診断の実施(2)農産物などの風評被害発生時の損害の一時立て替え(3)放射性物質の監視強化−といった市などが行う施設周辺住民への配慮事項を説明し、試験焼却への理解を求めた。
 最終処分場がある三本木地区を中心に、行政区長らから「最終処分場から汚染水が浸出したらどうするのか」「将来も被ばくリスクが消えない」と中止を求める意見が相次いだ。
 焼却施設周辺の住民からも「焼却で外部に漏れないと言い切れないはずだ。土壌汚染がひどくなる」「子どもたちの健康が不安」と焼却をせずに隔離保管を求める意見が多数出た。
 会場での発言はなかったが、「以前より安全対策が具体的になった」「近くにある汚染廃棄物を早く処分してほしい」と安全確保を条件に、事態の進展を求める声も聞かれた。
 試験焼却は、三本木地区で保管する汚染牧草のうち90トンを使う予定。約4000万円の関連予算が6月定例会で承認されると、9〜10月に着手可能という。
 説明会では住民対話の時間が不十分といった不満も出た。説明会終了後、伊藤市長は「焼却反対の方々と溝が埋まらない点もある。一方で早期解決を求める農業関係者の声もある」とし、「説明会で出された意見を含めて総合判断したい。6月定例会までに方向性を出したい」と述べた。


2018年06月03日日曜日


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