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<東北の本棚>仙台藩祖の生涯漫画で

◎伊達政宗 高枝景水 画 本郷和人 監修

 奥州の独眼竜と呼ばれ、現代の宮城の礎を築いた仙台藩祖伊達政宗(1567〜1636年)。戦国の世を駆け抜けた人気武将の生涯を、子ども向けに漫画で紹介した。
 政宗は伊達家16代当主輝宗の嫡男として現在の米沢市で生まれた。幼い頃に患った天然痘が原因で右目を失明したのは有名な話。18歳で家督を継ぎ、持ち前の才覚で豊臣秀吉、徳川家康ら親子ほど年の離れた手だれの権力者と渡り合った。
 新田開発や城下町の整備など、藩の発展にも力を注いだ。1613年に国際交易を夢見て送り出した慶長遣欧使節は、明治新政府の岩倉使節団が派遣される約260年も前の出来事だ。政宗の先見の明がうかがえる。
 本書では「人間・政宗」にも触れる。容姿に対する劣等感、自分より弟をかわいがる母への思慕など、一人の青年の内面を丁寧に描写。弱さを抱えたヒーロー像は親近感が湧く。
 幾多の苦難や葛藤を乗り越えてたどり着いた心境は、辞世の句「くもりなき 心の月を 先立てて 浮世の闇を 照らしてぞゆく」に表れている。信じる道を突き進んだ一生は、時を経ても私たちの心を捉えてやまない。
 東京大史料編纂(へんさん)所教授の本郷和人氏(日本中世史)が監修に当たった。
 小学館03(5281)3555=1026円。


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2018年06月03日日曜日


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