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記憶継承へモニュメント いわきの防災緑地に設置へ 首都圏の学生がCFで協力

防災緑地に設置されるモニュメントのイメージ図
防災緑地のモニュメント設置スペース。周りの植栽も進み、市民が憩える場になる=福島県いわき市岩間町

 東日本大震災の津波で大きな被害を受けた福島県いわき市勿来地区で、整備中の防災緑地に記憶継承のモニュメントを設置する計画が進んでいる。「若い世代の力で後世につないでほしい」。地元の願いを受け、首都圏2大学の学生がインターネットによるクラウドファンディング(CF)で資金確保に協力する。
 モニュメントは9月、地元のNPO法人勿来まちづくりサポートセンターが除幕する。同市出身の彫刻家北郷悟氏ら東京芸大の教授陣がデザイン。卵型で「ふ化を待つ生命の力強さや人々の希望」を表す。
 防災緑地は福島県が本年度中の完成を目指して同市岩間町に整備中。海抜7.2メートルにかさ上げした防潮堤に接し、多重防御を担う。
 岩間町は大半の約130世帯が津波被害を受け、10人が犠牲になった。サポートセンターは当初からモニュメントの計画に関わり、発案した被災伝承の取り組みを担うことになった。
 モニュメントの下には、被災者の証言の映像や子どもたちが書いた自画像などを納めたタイムカプセルを埋める。震災から20年後に開封して次世代に引き渡す。
 重視したのは若い世代の参画だ。「教訓伝承へ若者が果たす役割は大きい」とサポートセンターの舘敬理事長(66)。交流のある芝浦工大と筑波大の学生団体に協力を求めた。
 芝浦工大の学生約30人でつくる団体はモニュメント建設資金の一部100万円の調達を担当。CFサイト「キャンプファイヤー」で8日まで募っている。
 4年細江健太さん(21)は「勿来では支援活動を通じて学生が成長させてもらった。将来、子どもや孫に感じたこと、やってきたことを伝えたい」と言う。
 筑波大のメンバーはタイムカプセル用の証言集めに関わった。今後、埋設経費90万円をCFサイトで募る。大学院生の瀧田渓吾さん(22)は「伺った話は行事などを通じ、学内やつくば市内で知ってもらえる。できる活動がまだまだある」と話す。
 センターによると総費用は約1000万円。自己資金や市の補助金を確保したが、協賛金は不足している。


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2018年06月03日日曜日


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