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<在来作物>鶴岡で60品目確認 前回調査から2品目消滅、継承に課題

新たに在来作物として確認された波渡ナス
在来作物として消滅が確認された白山ホオズキ

 国連教育科学文化機関(ユネスコ)から在来作物の豊富さなどが評価され、2014年に日本唯一の食文化創造都市に認定された鶴岡市で、17年度に確認された在来作物が60品目だったことが3日、山形在来作物研究会の調査で分かった。認知度の向上で前回調査となる06年度を12品目上回ったものの、2品目は消滅した。今後は流通の在り方や栽培の継承が課題になりそうだ。

 堅苔沢地区で100年以上前から栽培される自家用の「波渡(はと)ナス」、松尾地区の川の土手で野生化した「松尾ニラ」など14品目が新たに確認された。前回調査で認定された枝豆「白山ダダチャ」や温海カブなど48品目のうち、白山ホオズキとツルナの一種イソガキは栽培の後継者がいないなどの理由で消滅とされた。
 全国的には、在来作物の栽培地域は中山間地に多いとされる。17年度調査報告書は、鶴岡市の特徴として「合併前の旧鶴岡市地区は地形によらず満遍なく在来作物が分布しており、特筆すべきだ」と指摘した。
 今後の課題には生産を受け継ぐ人材確保の難しさ、消費者や料理店が手軽に入手できる流通経路が確立できていない点を挙げた。商業品種に比べて収量が少ない上、収益が上がらないのが要因とみられる。
 研究会会長の江頭宏昌山形大農学部教授(植物遺伝資源学)は「在来作物が何十年、何百年と続いてきたのはおいしさが地域の人に愛されたから。その文化を大切にしつつ、料理店や観光拠点と連携し、現代の価値観にマッチした提供の仕方を工夫することも大切だ」と提言した。
 調査は市の委託で実施された。ユネスコに4年ごとに提出するモニタリング報告書の基礎資料となる。


[在来作物]山形在来作物研究会の定義では、特定の地域で栽培者が自分で種を採取するなど種苗管理をしながら栽培を続け、生活に利用してきた野菜や穀物、果樹、花。在来野菜のうちブランド化を目指して付加価値を高めたい場合、「伝統野菜」と呼ぶケースが多い。


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2018年06月04日月曜日


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