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宮城ホタテ、存続の危機 全海域で貝毒、4月の水揚げ94%減

ホタテガイの水揚げができず、閑散とした港。例年はこの時期、出荷の盛期を迎える=宮城県女川町

 宮城県沿岸で旬を迎えた養殖ホタテガイから国の基準を超えるまひ性貝毒が検出され、4月下旬以降、全海域で出荷の自主規制が続いている。同月の水揚げは17トンにとどまり、記録的不漁だった昨年の同月比で94%の減。事態は長期化の様相を帯びており、生産者は「ホタテ養殖は存続の危機だ」と不安を募らせる。

 県産ホタテガイは唐桑半島東部から女川湾・牡鹿半島東部の7海域で養殖されている。一帯は3月下旬から貝毒がまん延し始め、4月24日に全海域で出荷自主規制のレベルに達した。
 規制解除には、1週間ごとに行われる検査で3週連続で基準値を下回る必要がある。今月5日公表の検査結果は、依然として基準値を上回った。
 貝毒を蓄積しやすい中腸腺(ウロ)の部分が基準値を下回れば、県の指定工場で加工した貝柱を製造できるが、現状ではその見通しも立っていない。
 県水産業基盤整備課によると、貝毒は原因プランクトンの増加が影響している。プランクトンが増える理由は分からず、手の打ちようがない状況が続く。
 昨年度は成貝に育つ前の半成貝のへい死や変形が相次ぎ、水揚げ量は前年度比約3100トン減の約4200トンに落ち込んだ。「史上最悪」と言われた昨年の不漁は生産者の経営を直撃。昨年度、ホタテ養殖業者への貸し付けは45件、計2億7770万円に上り、前年度を件数で11件、金額で1億2990万円上回った。
 再建を期す生産者に追い打ちをかけるように、今年も半成貝のへい死が発生。出荷自主規制で水揚げができない悪条件が重なり、へい死が増えるリスクは高まっている。漁業関係者は「再開を待つ間にホタテが死滅する」と危惧する。
 3月20日から規制が続く女川湾・牡鹿半島東部海域でホタテ養殖をする伊藤和幸さん(69)=宮城県女川町=は昨年、280万円の赤字を出した。「昨年までは何とか自己資金で頑張ってきたが、今年はさらに厳しい。規模の縮小や廃業を検討せざるをえない」と苦悩を深める。
 ホタテガイのまひ性貝毒は岩手県南部でも基準値を上回る検出が続いている。6日現在、12海域中、釜石湾や大船渡湾東・西部など6海域で出荷を自主規制している。


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2018年06月07日木曜日


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