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東北大交換留学生の奨学金停止 違法薬物事件受け学生支援機構支給見送り「事件と無関係なのに…」困惑

グループに分かれて討論する東北大の交換留学生と日本人学生。奨学金支給停止に戸惑いが広がっている

 独立行政法人日本学生支援機構が、東北大の一部プログラムで学ぶ交換留学の学生への奨学金を停止している。交換留学生ら7人が昨年12月〜今年1月、麻薬取締法違反容疑で逮捕されたのを受けた措置。本年度に来日する学生が対象となっており、大学関係者には「事件と無関係なのに」と戸惑いが広がる。
 機構は4月、授業分野別に設定された交換留学生のプログラムのうち、文系と理系の講義を英語で受ける学生への支給停止を通告した。逮捕された留学生の中に両プログラムの受講者が含まれていた。
 機構は取材に「東北大の運営に問題があると考え、本年度は採択を見送った」と説明する。
 東北大の交換留学生は年間約200人。半数以上が大学を通じて機構に奨学金を申請、返還義務のない奨学金を受けていた。
 交換留学生の半分はアジア各国から訪れており、自活できるケースは限られるとされる。インドネシア出身のアウディタ・ラアダンティさん(22)は「奨学金があっても生活はぎりぎり。今後来る人は大変」と明かす。
 支給停止を知った欧州や東南アジアの複数の大学からは「奨学金が受けられなければ学生を派遣できない」との連絡が入っている。国際化を推進する東北大の痛手になる可能性がある。
 東北大は事件を受け、交換留学生に違法薬物の輸入や使用をしないよう強く促すことにした。同大グローバルラーニングセンターの末松和子副センター長は「不安を与えて大変申し訳ない。地域の理解を得られるよう努めつつ、優秀な人材を集めたい」と話す。
 事件では6人が不起訴になったが、1人が仙台地裁で有罪判決を受けた。同大で留学生支援団体を運営する3年谷口奈央さん(20)は「一部の行為で全体の印象が悪化するのは困る」と嘆く。
 東北大留学生協会代表の院生イェウドキーヤ・オフロープコワさん(28)=ロシア出身=は「一人一人が留学生全体、出身国の代表との意識を持たなくてはならない」と自覚を促した。

[交換留学]海外の大学や自治体との協定に基づき、互いの学生を派遣し合う制度。期間は協定によって異なるが、東北大の場合4カ月〜1年程度。所属大学に授業料を納めれば、派遣先大学で免除されるケースがある。留学には他に私費、国費などがある。


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2018年06月07日木曜日


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