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<北上1歳虐待死>現場情報生かせず 行政、緊急性共有に壁

 1歳9カ月の長男に十分な食事を与えず死亡させたとして、父親の解体作業員高舘拳容疑者(25)=岩手県北上市大堤南3丁目=が逮捕された保護責任者遺棄致死事件は6日、関係機関の間で緊急性を共有できなかった実態が浮き彫りになった。現場からの異変情報を生かし切れないまま、最悪の結末を迎えた。
 長男が通っていた認可外保育所は事件前の2月末、岩手県の定期監査に同行した北上市の担当者に(1)極端に汚れた衣服(2)保育所にいる間の異常な食欲−などの異変を報告。これを受けて市は容疑者宅を数回訪問したが、接触できなかった。
 保育所の責任者は「緊急性を感じて情報伝達した。勤務先を訪ねたり、夜間に自宅訪問したりすれば実態をつかめたかもしれない」と話す。これに対し、市は「保育所から『毎日送迎している』との報告もあった」と説明。「児童相談所に通告する緊急性までは把握できなかった」と釈明する。
 児童保護の権限を持つ県福祉総合相談センター(児童相談所)に市から報告があったのは3月中旬。ただ「緊急性が高いとの報告はなかった」として対応しなかった。
 容疑者は4月に数日にわたって十分な食事を与えていなかった長男を自宅に放置して死亡させたとして、5日に逮捕、送検された。


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2018年06月07日木曜日


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