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<汚染廃>宮城・大崎市が試験焼却へ 10月にも着手、強い反発も

試験焼却実施を市議会に報告する伊藤市長(中央)

 宮城県大崎市の伊藤康志市長は7日、東京電力福島第1原発事故で生じた国の基準(1キログラム当たり8000ベクレル)以下の汚染廃棄物の試験焼却の実施を決め、14日開会の市議会6月定例会に関連予算4699万円を提案すると発表した。
 市議会全員協議会で報告後、定例記者会見で公表した。伊藤市長は焼却処理の選択について「早期に実施可能な方法で、汚染廃棄物の保管者の要望なども踏まえて行政として総合的に判断した。安全安心を最優先に進める」と強調した。
 2日の住民説明会で、放射性物質拡散への危惧から要望が相次いだ隔離保管については「長期にわたり、コストもかかる」などと選択しない理由を挙げた。放射性物質の受け入れが明記されていない焼却施設や最終処分場の地元住民との過去の覚書などについては「当時と状況が異なる。何かあった場合は協議するとしており、改定が必要だとは考えていない」と述べ、現状でも焼却や焼却灰の搬入は可能との考えを示した。
 市など5市町で構成する大崎地域広域行政事務組合が行う試験焼却は、三本木地区で保管する汚染牧草のうち90トンを使う予定。順調に進めば、10月上旬に試験焼却に着手可能とのスケジュールも示された。
 反対派は強く反発。市民団体の連合組織「放射能を拡散させる『一斉焼却』をスルナ・サセルナ市民集会実行委員会」(同市)の若井勉委員長(77)は「住民説明会で反対意見が多かったのに、民主的なやり方ではない」と市の判断に疑義を呈した。
 岩出山地区の焼却施設に近い住民組織、上宮協栄会の阿部忠悦会長(78)は「施設で大きな変更がある際は地元合意を得るという申し合わせに違反する」と批判。反対署名簿を提出している三本木地区の最終処分場に近い伊賀行政区の相沢雅弘区長(65)は「住民同意が得られた状況ではない。試験焼却を認められない」と撤回を求めた。


2018年06月08日金曜日


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