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<宮城県沖地震40年>マンションの共用スペースを避難所に 仙台で20棟登録、入居者が共助

災害時は共用スペースを入居者の避難所に活用する仙台市青葉区の「フレール花壇」

 宮城県沖地震から12日で40年となり、仙台市内のマンションで共用スペースを入居者の避難所として活用する動きが進んでいる。住民が自主運営する市の地区避難施設「がんばる避難施設」にこれまで約20棟が登録された。避難所が混雑した東日本大震災を教訓に、共用スペースと入居者の共助を緊急時に生かすのが狙いだ。(震災取材班)

<移動リスク回避>
 60歳以上の35世帯40人が入居する青葉区花壇の高齢者向け賃貸住宅「フレール花壇」。約50人収容可能な1階の広間を災害時の避難所に設定し、2015年に片平地区の避難所運営マニュアルに記載した。
 指定避難所の片平丁小までは坂道を上って15分ほどかかる。入居者でつくる親睦会の太田尚吾会長(81)は「移動に困難を感じる高齢者も少なくない。建物は震災でも目立った被害がなく、安心できる」と話し、近隣住民も使えるよう周知を図っている。
 片平地区連合町内会の今野均会長(76)は「運営の負担軽減や移動リスクを抑えるために避難所の分散は重要。避難者を減らすことができれば、指定避難所となっている学校の早期再開にもつながる」と地域全体への効果を見込む。
 震災ではピーク時、市内の避難所に約10万人が殺到し、片平丁小にも約3000人が身を寄せた。一方で在宅避難者には公的支援が届きにくかった。マンションを避難施設の一つに位置付けることで、物資や情報がスムーズに行き渡ると期待される。

<市が整備後押し>
 4棟の計366世帯で単独の町内会を運営する宮城野区福室の「ダイアパレス高砂」は災害時、敷地内の集会所への避難を申し合わせており、アルファ米やプロパンガス、発電機などを備蓄する。
 町内会の庄司昭会長(70)は「指定避難所は沿岸部から逃げて来る避難者のためできるだけ空けたい。集会所での避難生活が長期化した場合でも、避難所から食料を確保できる」と説明する。
 市内の分譲マンションは約1400棟に上る。市は13年以降、マンション用の防災マニュアルを全棟に配布している。
 市防災計画課は「建物の安全が前提だが、マンション単位の取り組みは地域の防災力向上につながる」と語り、避難施設としての整備を後押しする方針だ。

[がんばる避難施設]地域住民による備蓄や運営を前提に集会所などを活用して開設。東日本大震災の教訓を踏まえ2013年に仙台市が地域防災計画に盛り込んだ。市内に193カ所ある指定避難所ごとの運営マニュアルに記載され、緊急時に連携を図る。18年3月末時点の登録数はマンション約20棟を含む約400カ所。


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2018年06月08日金曜日


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