
<楽天>岸5勝目、きっちり仕事 通算1500奪三振達成
エースの真価は、大事な局面でこそ試される。
5−4の八回、東北楽天の先発岸は2死からゲレーロに四球を与えた。続く4番岡本の2球目、嶋の捕逸で得点圏に走者が進んだ。
「(絶対に抑えなければいけない場面は)ここしかない」
3ボールとカウントを悪くしてから、直球勝負を挑んだ。見逃し、ファウルでフルカウントとし、最後の128球目、143キロを内角にズバッと投げ込むと、相手の若き主砲はぼうぜんと見送るしかなかった。
8回を投げ10奪三振。六回には岡本から史上54人目となる1500奪三振の快挙も成し遂げた。「よくここまで三振を取れたものだと思う」と歩んできた道のりを振り返りながらも、「良かったのは最後の方だけだった」と投球内容には納得していなかった。
むしろ、三回にウィーラーの満塁弾で逆転してもらいながら、2本塁打で追い付かれた投球を「申し訳なかった」と反省する。
それでも首脳陣の信頼は揺るがない。「気迫で投げている感じだった。あの細い体でしっかりやってくれている。感謝しかない」と梨田監督。交流戦初のカード勝ち越しに導いてくれた右腕に、賛辞を惜しまなかった。(伊藤卓哉)
<記録メモ/岸 通算1500奪三振>
7日の巨人3回戦(東京ドーム)の六回に岡本から三振を奪い達成。プロ野球54人目。初奪三振は西武時代の07年3月30日の日本ハム戦で木元から。
2018年06月08日金曜日