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<仙台満店>脳まで刺激 三陸の食文化

「ホヤ三昧」。ホヤの3種盛りと牡鹿半島産ひじきの煮物。ワインを合わせるなら、北海道函館市にある「農楽蔵(のらくら)」の自然派ワインがお薦め
お店の外観。のれんに描いている、手をつなぐマスコットのイラストは、伏谷さん家族を表しているそうだ
取材中に到着したホヤに思わず笑みがこぼれる伏谷さん。「使うのは4年物。朝採りを開店までに届けてもらいます」

◎ホヤ/のんびり酒場(さかば)ニコル(青葉区)

 まるで恐竜の卵じゃないか(想像上の、だけど)。よもや食すとは。宮城県外から移り住み、初めてホヤを見たときの衝撃は忘れられません。
 あれから15年、ようやく味が分かり始めた私のお薦めは「のんびり酒場 ニコル」の「ホヤ三昧」(950円)。多面的なホヤの魅力を一皿で堪能できます。
 複雑で甘美な味わいが口中を満たす刺し身、独特の風味を卵が受け止めるホヤ卵、店主渾身(こんしん)の塩辛の3種盛り。みずみずしさや香り、味、余韻といったものが、口の中で放たれ脳までも刺激します。ホヤってこんなにおいしかったっけ。
 奥松島(宮城県東松島市)の漁師町で育った店主の伏谷淳一さん(44)。幼い頃から漁業の厳しさを肌身で感じ、本物の味を覚えました。店を出す時に決めたのは「信用する食材だけを扱い、一から自分の手で作る」こと。例えば塩辛は漁師に昔ながらの製法を習い、仕込み用の魚しょうから手作りするこだわりぶり。
 毎朝市場へ足を運び、生産者との交流や収穫の手伝いも欠かしません。「体が足りない」と苦笑しながらも労力を惜しまないのは、「三陸の豊かな食文化を途切れさせたくない」一心から。「生産者の思いを形にして、自分が伝えたい」。熱い。情熱の固まりです。
 話を戻してホヤ。食べた後に日本酒や水を含むと、えもいわれぬ魅惑の味が広がるのはよく知られています。でも「合わないと思われがちなワインも、なかなかいけますよ」と伏谷さん。新たなるマリアージュ、ぜひ、ニコルの自然派ワインでお試しを。
(鶴)

[メモ] 仙台市青葉区大町2の11の1▽午後5時〜午前零時ごろ▽日曜休み▽15席。席数が限られるため予約がお勧め▽当日の水揚げによってメニューが決まる。秋田県産もち豚の料理も。ホヤ料理は他に「ホヤキムチ」「ヤンニョム和(あ)え」が登場する予定。最新情報はフェイスブックやブログで
▽022(263)1628。


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2018年06月11日月曜日


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