宮城のニュース

<宮城県沖地震40年>被災地の自主防災足踏み 組織率、仙台など震災前を下回る

 地域の共助を支える自主防災組織の組織率が、東日本大震災の被災地で伸び悩んでいる。沿岸15自治体の半数が県平均を下回り、1978年の宮城県沖地震から40年となる仙台市など5市町は、震災前の水準を回復できていない。高齢化による担い手不足、高台移転や集合住宅の建設に伴うコミュニティーの弱体化が主な要因とされる。

 沿岸15市町の総世帯数に占める加入世帯数の推移は表の通り。2017年4月時点で7市町が県平均(82.7%)に達せず、うち5市町は震災前(09年)から減少した。上昇は4市町で、6市町は100%を維持した。
 減少幅が最も大きいのは36.6ポイントの女川町で、南三陸町(26.4ポイント)、気仙沼市(11.6ポイント)が続く。女川町企画課は「高台移転で津波への危機感が薄れつつある。地震や豪雨などの災害はいつ起きるか分からず、組織づくりを急ぐ」と説明する。
 南三陸町は震災前の100%から73.6%に落ち込んだ。町危機管理課は「一度は仮設住宅で組織を立ち上げたが、災害公営住宅への移行で再構築が必要となった」と対応に悩む。
 世帯数が多い仙台市は6.5ポイント減の80.9%。市減災推進課は「マンションができ、町内会に加入しない世帯が増えており、都市部ならではの難しさがある」と要因を指摘する。
 上昇幅が大きいのは塩釜市(19.0ポイント)、名取市(9.3ポイント)、岩沼市(8.7ポイント)など。塩釜市市民安全課は「公的支援が届く前に地域の助け合いが必要との認識が被災後に高まった」との見方を示す。
 各市町村は組織率の向上に向け、発電機やヘルメットなど防災資機材の購入費助成や防災マップ作成の支援などに取り組む。
 「津波死ゼロのまちづくり」を掲げる気仙沼市は15年に地域の代表者を集めた防災協議会を設立し、取り組み事例の発表や専門家を交えた勉強会を開催。積極的に活動する組織には毎年、助成金を交付する。
 市内で浸水被害があった167行政区のうち、これまでに91行政区(54.5%)で組織が発足した。市危機管理課は「防災活動は災害公営住宅でのコミュニティー形成にも役立つ。あらゆる機会を捉え、防災意識の醸成に取り組む」と強調し、20年度までの100%達成を目指す方針だ。


関連ページ: 宮城 社会

2018年06月12日火曜日


先頭に戻る