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<民泊>届け出東北低調 仙台の事業者、営業日数規制で対応割れる

自宅2階の和室を使って民泊を始める大竹さん。受け入れ準備は既に整った

 住宅宿泊事業法(民泊新法)の施行が15日に迫った現在でも、東北の民泊物件の届け出の動きは鈍い。首都圏や関西では大手企業が続々と民泊事業進出を表明する一方、営業日数の上限が180日に設定されるなどしたため、資本力が弱い個人や小規模事業者が参入するハードルは上がった。仙台の事業者も対応が分かれる。
 仙台市西部の郊外に暮らす大竹千里さん(68)は5月、市に提出した民泊の申請書類が受理された。2階建ての自宅の和室を貸し出す。新たに取り付けたのは火災警報器のみだった。
 今月下旬には中国人留学生2人の予約が入っている。大竹さんは「空き部屋の有効活用なので収益が目的ではなく、営業日数の規制は気にならない。家に居ながら海外旅行気分を味わえそうだ」と心待ちにする。
 一戸建ての自宅とは異なり、賃貸物件を転用する場合は営業日数の上限が足かせになる。1年の半分は収入を得られず、維持費だけがかさむ。事業として成立させることが難しい。
 市中心部の所有マンションを無許可で民泊に使ってきた男性は、市への申請準備を進める。「180日だけの営業では苦しい。賃貸に戻そうとも思ったが、ずっと先まで予約を入れてくれた人たちがいるから続けることにした」と話す。
 男性は同じマンションに暮らし、鍵の受け渡しや部屋の清掃も自ら行う。宿泊者のマナーが悪ければ厳しく注意してきた。「管理の仕方もいろいろある。もっと柔軟な制度にすべきではないか」と疑問を投げ掛ける。
 仙台市の不動産賃貸業の男性は、民泊からの撤退を決めた。活用していた8室は、いずれも集合住宅の一室。所有者や管理組合が反対する場合、届け出申請は認められない。承諾を得られる可能性は低く、申請自体を諦めた。
 男性は「観光は地方で成長が見込める数少ない産業。民泊は個人や小規模事業者が参入できる唯一の分野と期待していたが、ビル1棟を所有する限られた層や大企業のサイドビジネスになってしまった」と嘆く。


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2018年06月13日水曜日


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