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<アニサキス食中毒>福島で急増、昨年上回る27件 カツオなどに寄生 

 福島県内で寄生虫のアニサキスによる食中毒被害が増えている。今年は既に27件に上り、昨年1年間の11件を大きく上回る。寄生したカツオの刺し身などを食べたのが原因とみられ、県は戻りガツオの水揚げがピークを迎える秋に向けて対策に乗り出す。
 県食品生活衛生課によると、原因の魚はカツオの17件が最多で、不明7件、マグロ2件、サバ1件と続く。地域別ではいわき市(5件)や相双地方(5件)など浜通りが多い。
 被害の増加理由は分かっていない。昨年、タレント渡辺直美さんらの被害が報じられたこともあり、「認知度が高まり、被害の報告が増えたのではないか」と県の担当者は推測する。
 海水温の変化などでカツオが捕れる海域がアニサキスの寄生する「餌場」になっている可能性もあるという。
 影響は小売りの現場にも出ている。福島県内のあるスーパーでは、食中毒の報道が増えたためカツオを買い控える動きがある。鮮魚担当者は「検査機でアニサキスの有無の確認を徹底しているだけに、食中毒を怖がってカツオを買わない消費者がいるのは残念だ」と語る。
 黒潮に乗って北上したカツオは水温の低い親潮にぶつかるとUターンして、初秋ごろから南下する。餌をたくさん食べて脂が乗った戻りガツオは消費者の人気も高いが、その分、食中毒の被害が増える可能性もある。
 県食品生活衛生課は今後、アニサキスの食中毒被害が起きた約20店の担当者から魚の保管温度や産地、再発防止策などを聞き取る。担当者は「被害防止につながる取り組みが分かれば、チラシや講演会などで結果を知らせていく」と話す。

[アニサキス]寄生虫の一種。体長は2〜3センチ、白色で糸状になっている。幼虫はサバやカツオ、イカ、サンマ、アジなどの魚介類の内臓に寄生し、魚が死ぬと筋肉に移動する。魚を生で食べると胃や腸壁に侵入し、激しい腹痛などを生じる。加熱・冷凍処理することで死滅できる。


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2018年06月17日日曜日


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