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日本政府観光局 清野智新理事長に聞く 東北連携、情報発信に力

せいの・さとし 1947年、仙台市生まれ。東北大卒。70年旧国鉄入り。2006年JR東日本社長に就任し、12年4月から会長。18年4月、顧問。15年6月から18年3月まで東北観光推進機構会長を務めた。

 日本政府観光局(JNTO)の理事長に4月、JR東日本社長や東北観光推進機構会長を歴任した清野智氏(70)が就任した。訪日外国人旅行者(インバウンド)が増える中、東北は伸び悩みが続く。観光戦略上の情報発信の方策や課題を聞いた。(聞き手は東京支社・山形聡子)

<新商品が不可欠>
 −JNTOでこれまでの経験をどう生かすか。
 「機構の会長時代、キーワードは連携と考えていた。観光振興には行政と民間、自治体間、民間同士の連携が欠かせない。東北では各県知事に理解してもらい地域としてPRできた。外国人のニーズに合うテーマや目的に沿った旅行商品づくりも不可欠。周遊できるコースを設定し、情報発信する必要がある」
 「2017年のインバウンドは過去最高の2869万人(政府観光局集計)に達した。約8割は中国や韓国、台湾などのアジア圏からの旅行者。欧米やオーストラリアへの情報発信を強め、平準化したい」
 −インバウンドが増えた背景は。なぜ、東北での伸びは鈍いのか。
 「観光業に携わる人材育成やビザ発給の緩和、免税品の大幅増など政策的な効果が挙げられる。結果的に東南アジアからのリピーターが増えた。東北は東日本大震災の影響が大きく、動きだすのが遅かった。東北へのインバウンドは増えてはいるが、まだ絶対数が少ないのが現状だ」

<教育旅行強みに>
 −東北の観光復興にどう取り組むか。誘客促進で地域に求められる姿勢は。
 「震災後、自治体や観光協会の相談を受け付ける窓口に東北担当を配置した。17年には東北観光振興グループを設置。復興庁の交付金を活用し、東北観光推進機構と連携して情報発信を強化している」
 「地元の人にとって日常生活の一部である場所や地域行事でも海外の人は面白いと感じる。そうしたコンテンツはたくさんあるはずで、探して発信してほしい。訪れるきっかけとなり、全体的な底上げになる」
 −東北観光の可能性は。
 「国内向けには震災の被災地を中心にした教育旅行が強み。現地に行って初めて分かることがある。外国人観光客を増やすためには日本に来てもらうだけでなく、こちらから海外に出向いて互いの考えを理解し合うことが大切だ」
 「20年の東京五輪・パラリンピックには大勢の観客が訪れる。滞在中の1泊だけでも東北に来てもらうような旅行商品を地元と共に生み出したい」


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2018年06月17日日曜日


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