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大地震発生スパコンで予測 津波被害情報30分以内発信 東北大などベンチャー設立

 東北大は国際航業(東京)などと共同で、大規模地震の発生から約30分以内に津波被害を推定し、情報を提供するベンチャー企業「RTi−cast」(仙台市若林区)を設立した。既にスーパーコンピューターで被害を推計する世界最先端のシステムを開発。津波想定区域の自治体や企業の津波被害対策への活用が期待される。

 RTi社には東北大と国際航業のほか、システム開発で協力したエイツー、NEC(共に東京)が出資。東北大災害科学国際研究所の越村俊一教授(津波防災工学)が取締役最高技術責任者として事業を統括する。
 現段階の推定範囲は、南海トラフ巨大地震の海域で静岡県から鹿児島県までの太平洋側の海岸線約6000キロ。東北大と阪大にある24時間稼働のNEC製スパコンが計測する。
 マグニチュード(M)6.5以上の地震で、津波注意報・警報が発令された際に作動。約30分以内に津波の高さや到達時間、浸水範囲、建物被害などを予測する。
 RTi社は今後、静岡県以北の東北、北海道の太平洋岸も津波被害が推定できるようシステムの改良を進める予定だ。
 RTi社のシステムは既に、内閣府が南海トラフ巨大地震に備えて採用している。売上高は本年度、約7000万〜8000万円を見込む。津波想定範囲も海外に広げる方針で、2024年度には売上高約10億円を目指す。
 越村教授は「世界最先端のシステムを発展させ、国内外に展開していく。このシステムを活用することで津波被害があっても『生き延び、素早く立ち直る』社会の構築に貢献したい」と話す。


2018年06月18日月曜日


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