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<梨田監督辞任>狂った歯車(下)裏目 球団と現場 微妙なずれ

今季から楽天生命パーク宮城はマウンドの土質が変わった=5月4日

<菊池対策で皮肉>
 7勝24敗。梨田前監督が辞任した16日までの楽天生命パーク宮城での戦績だ。
 球団は今季開幕前に、マウンドを投手によっては踏み込みにくいと感じる土質に変更した。背景には昨季本拠地で4戦全敗を喫している西武のエース菊池(岩手・花巻東高出)対策があるとされる。「ホームアドバンテージ」(球団幹部)を生み出し、天敵攻略をアシストしようとしたが、皮肉にも裏目に出る。
 マウンド変更のチームへの報告は開幕直前。準備期間もなく、投手陣は傾斜や踏み込みの感覚の違いに苦慮した。象徴するのが4月13日の西武戦。菊池から一回に3得点したが、直後にエース則本が5失点して逆転負け。「フォームのバランスが悪かった」。則本は何度も足元を見つめた。
 「あり得ない。運動神経抜群の福山まで」とチームメートが言うのが、4月25日のロッテ戦。延長十回1死二塁、福山がクイックで踏み込もうとした際、体勢を微妙に崩して大暴投。その後、4失点し敗れた。
 本拠地24敗中、則本、美馬、松井が各4敗、辛島が3敗。福山を含め身長180センチ未満の投手が苦戦した。チーム関係者は「小柄な投手ほど踏み込んだ下半身から乱れた。毎試合手探りを強いられた」と明かす。
 他にも球団と監督、チームの3者間のコミュニケーションに疑問符が付く場面はあった。
 5月11日のオリックス戦では、抑えの松井を急きょ中継ぎに回す配置転換をした。梨田前監督は「私が決めた」とチームに説明したが、不調とはいえ「本調子になりつつある」というのが首脳陣の共通認識だった。
 5月17日のソフトバンクとの試合前、記者に新人岩見の1軍昇格を問われた前監督は「まだ厳しい」と否定的だった。しかし、試合後、岩見が1軍に合流した。

<常に批判の矢面>
 球団は最新技術を駆使して測定したデータ分析に力を入れ、それに基づいた選手起用などの戦略をチームに提示。指揮官は受け入れて一丸でのチームづくりを進め、不発に終わっても批判の矢面に立ち続けた。
 しかし、その取り組みはなかなかうまくいかなかった。借金12で迎えた5月22日の試合前、外野手登録された岡島の捕手起用の可能性に「先発させてもいい。(球団から)言われればね。(記者の)みなさんの意見だって参考にする」。ジョークで苦しい胸の内を示唆した。
 今月17日からチームの指揮は平石監督代行に移った。立花陽三社長は「サポート体制を再構築しなければならない」と明言する。現場が試合に集中できる体制を整えることが、「梨田ショック」の反省となる。


2018年06月19日火曜日


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