岩手のニュース

<大槌町旧庁舎>解体工事に着手 差し止め判断待たず

建物内部のがれきを搬出する重機=18日午前9時50分ごろ、大槌町旧役場庁舎

 岩手県大槌町は18日、東日本大震災の津波で当時の町長や職員ら40人が犠牲になった旧役場庁舎の解体工事に着手した。拙速な解体に反対する住民団体が解体差し止めの仮処分を盛岡地裁に申し立てる中、司法判断を待たずに工事が始まった。
 午前8時ごろ、工事請負業者の作業員が建物内部に入り、散乱するがれきの分別、搬出など解体に向けた作業を開始した。準備作業には1週間ほどを要し、25日以降に建物の取り壊しを始める予定だ。
 平野公三町長は「解体予算は町議会を通過している。いろいろな声があるのは承知した上で、決意を持って進める。さいは投げられた」と表明。解体日程に変更はないことを強調した。
 一部の職員遺族は、解体前に旧庁舎への立ち入りを望んでいる。だが平野町長は13日に報道機関へ公開したとして、一般町民も含めて内部を公開する考えは「全くない」と述べた。
 遺族の立ち入り希望については「突然の感がある。これまで私に(公開について)話す機会はあった」と不快感を示した。一方、旧庁舎を訪れる人への配慮などを理由に18日までは重機による作業を自粛するよう指示していたと説明した。
 住民団体「おおづちの未来と命を考える会」は仮処分申請とは別に、解体工事への公金支出に違法性があるとして、町監査委員に住民監査を請求している。
 高橋英悟代表は「監査請求も仮処分申し立ても結論が出ていない上、慰霊もせずに工事が始まったことは極めて遺憾」とする談話を出した。


関連ページ: 岩手 政治・行政

2018年06月19日火曜日


先頭に戻る