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残り11万枚超の被災写真返却 復興協が再登板 気仙沼市が実績買う 「出張閲覧」など計画

公民館で保管している写真や物品

 気仙沼市でボランティアの受け入れなどを手掛ける一般社団法人「気仙沼復興協会」が、東日本大震災の津波で流された写真などを持ち主に返す事業を、市の委託を受け2年ぶりに実施する。2017年度は市単独で行ったが1枚も返却できず、16年度まで約90万枚を返却した実績がある同協会に白羽の矢が立った。
 市が保管する持ち主不明の写真は約11万5000枚、ランドセルや位牌(いはい)などの物品も約1800点ある。同市唐桑町の小原木公民館で展示している。
 希望者は同市波路上にある協会事務所のパソコンで、データベース化した写真を閲覧。公民館で実物を受け取るか、印刷してもらうことができる。
 事業は協会が11年6月に始めた。写真約100万枚、物品約4000点をボランティアらが洗浄し、市内各地で展示。仮設住宅などで出張の閲覧会も行った。
 財源だった国の緊急雇用創出事業が16年度末で終了したため、市は昨年度、協会への委託を打ち切った。
 市危機管理課に写真を閲覧できるパソコンを設けたが認知度は低く、人手不足などで出張閲覧会も未開催。土、日曜や祝日は閉庁ということもあり、1年間の閲覧は5件にとどまった。
 このため市は、ノウハウのある協会に事業を再委託することにした。ボランティア受け入れ事業を含む委託料は約670万円。市の担当者は「パソコンの閲覧には1時間近くかかる。希望者に丁寧に対応するためにも協会の協力は必要だ」と話す。
 協会は震災を機に地元を離れた住民らを想定し、仙台市や首都圏などでも出張閲覧会を開催したい考え。連絡先などが書かれた物品を調べ、持ち主に直接、接触する計画も立てている。
 同協会事務局長の千葉貴弘さん(43)は「震災から7年たち、ようやく気持ちに余裕が生まれた被災者もいる。多くの人に返却できるよう努めたい」と話す。
 連絡先は同協会0226(27)3882。水曜定休。


2018年06月20日水曜日


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